元TOKIO・山口達也の事件が明るみになる前、この春の芸能界の話題を独占していたのはオフィス北野のお家騒動だった。
つい最近も、その後の動きを確認しようと、ゴルフ大会に出場したビートたけし(71)目当てに多数のマスコミが駆けつけた。その翌日、東京・浅草で行われた、たけしが名誉顧問を務める「江戸まち たいとう芸楽祭」の発表会見の会場となった木馬亭も、取材陣で超満員になるほどだった。
タブーなき媒体のはずが……
新しい社長につまみ枝豆が就任する、というたけし案による着地点が見えてきたお家騒動だが、この騒動をまったく報じなかった媒体がある。
東京スポーツだ。
いつもの記事のスタンスはイケイケ、どんなスキャンダルも扱いタブーなき媒体と思われているのだが、
「たけしネタだけはダメです。本人がしゃべっていることだけはニュースとして書いていいという方針ですが、独自取材で仕入れたネタは書きません。一応、取材はしていますけど、すればするほどたけしの愛人の存在の不気味な大きさが分かるのですが、そのことに一行も触れていません」
と関係者が明かす。
たけしと当該スポーツ紙との関係は深く、東京スポーツ映画大賞ではたけしが審査委員長を務めている。
「騒動が勃発した当初から、何が何でも映画祭を残すようにという会社の意向が現場に下りてきました。それ以来、タブー扱いですよ。実に分かりやすいものです」
と前出・関係者はやれやれといった表情をする。さらにこんな情報を付け加える。
「伊調馨選手に対するレスリング界のパワハラ問題が世間を騒がせましたけど、その際もうウチは触れませんでした。その理由は簡単、公益財団法人日本レスリング協会の副会長に、わが社のトップが入っているからです」
ビートたけしと日本レスリング界。タブーなき夕刊紙も、時として忖度をするのである。
<取材・文/薮入うらら>