「1回目から5回目くらいは会場に入るだけでワクワクして。でも、そこを過ぎて慣れてきて、集まった男性を見ながら、“なんで私はこんなところに来なきゃいけないの?”とイライラに変わり(笑)。

 20回目を過ぎると、仲介業者のように友達から頼まれて連れて行ったり。80回を超えるともう悟りの境地ですよ。“私、趣味でここに来ていますから”って。

 パーティーのパンフレットにね、白馬に乗った王子さまが現れます、と書いてあったんですけど、王子さまどころか白馬もいないし。いま思うと失礼な話ですけど、いるのはみんなロバばかり、なんて思っていましたね(笑)」

「斜め澤さん」と呼ばれて

 だが、“運命の出会い”が彼女を待っていた。

結婚した彼と初めて会ったときは、婚活パーティー慣れしていないな、というのが第一印象。それで、私のことを“斜め澤さん”と呼んできたんです。横じゃなく斜め(笑)。

 私的に、ちょうどよくおもしろくないつかみだったので、この人と一緒に飲んだら楽しそう、と思ったのが最初でした」

 そこから1年半でゴールイン。幸せをつかんだ彼女に婚活を振り返ってもらうと、

「パーティーに通ったことはムダではなかったと言えます。彼に出会えたのはもちろんだけど、コミュニケーション能力も鍛えられましたし、芸人をやっているだけでは出会えない、おもしろい人、変な人ともたくさん出会えました(笑)。

 初対面の人と、1分間でお互いのパーソナルな部分を引き出せるかとか、習い事じゃないですけど、自分磨きにもなりますね。

 パーティーには本気半分、楽しみ半分で出席することをおすすめします。“こんなところにいるはずない”とバカにして行くと絶対にいいことないです。だって、お金を払って行ってるんだから、どんなことでも楽しんだほうがいいじゃないですか(笑)」


〈PROFILE〉
横澤夏子
よこさわなつこ ’90年7月20日生まれ。自身の婚活の体験をつづった婚活本(光文社刊)を7月20日に刊行。同日、単独ライブを『ルミネtheよしもと』で開催