事件が起きた美紀子容疑者の自宅(写真の路地奥)。善明さんが倒れたとみられる場所には血痕が生々しく残っていた
事件が起きた美紀子容疑者の自宅(写真の路地奥)。善明さんが倒れたとみられる場所には血痕が生々しく残っていた
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 現行犯逮捕されたのは、無職・石橋美紀子容疑者(53)。容疑は父親の石橋善明さん(79)に対する殺人容疑、並びに母親のふくさん(81)に対する殺人未遂容疑だ。善明さんは搬送先の病院で翌4日午前0時7分、息を引き取った。

 今のところ明らかになっている事件のきっかけは、実に些細なことである。

「美紀子容疑者は当日酒を飲んでおり、雨戸の開閉をめぐって母親と口論になった。母親を脅して謝罪させようと包丁を持ち出したところ、母親が包丁を奪おうとしたため腕を切ってしまったと供述しています」(前出・捜査関係者)

 取り調べには素直に応じているものの、殺意を否認し、両親への謝罪の言葉もないという。

 事件当日、激しい親子ゲンカを聞いた50代男性がいる。

「石橋さん宅から“勝手にカギを替えたな!”って叫ぶ女の声が聞こえました。次に“謝れ!”。おそらく刃物を持ち出したんでしょう、母親らしき女性が“刃物なんて持って危ない!”って。ほかにも“土下座しろ!”とか“私は孤独死でいいんだ。死んでもいいんだ!”という声が聞こえました」

 ふくさんが切りつけられたのは、その直後だとみられる。

次女の同居は知らなかった

 石橋さん一家がこの地に住み始めたのは約40年前。30坪強の宅地に木造2階建ての一軒家を新築した。

「ご主人は穏やかで物静かな人。奥さんは小柄で細く、ご主人より年上とは思えないほど見た目が若々しかった。静かでアットホームな家。何かを言い争う声など聞いたことがなかったです。

 娘さんが2人いて、長女は活発で朗らか。(逮捕された)次女は物静かでおとなしい子。でも、高校生のころに見かけたのが最後で、2人とも、とっくに家を出て自立しているものと思っていました」

 と30年以上の付き合いがある60代の女性。