「ごめん。ごめんな。軽い気持ちで参加した婚活パーティだったんだ。でも、佳恵と出会って、本気で好きになっちゃって、失うのが怖くなった。それで本当のことが言えなくて、ズルズルとここまできてしまった」
男性は実は既婚者で、単身赴任中。他県には奥さんと小学生の娘さんが2人いることがわかりました。ふたりが出会った婚活パーティには、会社の後輩の保険証を借りて、年齢を偽って入ったというのです。健康保険証は、身分証明書になりますが、写真がついていないので本人確認はできませんよね。
半年間のうちに結婚相手を見つけたい
その後、彼とは別れたと思いきや、ズルズルとまだ関係が続いているといいます。
「既婚者だということがわかって別れようと思いましたが、LINEや電話が毎日きて。アドレスや番号をブロックすればよいのはわかっていたけれど、彼のことをすごく好きになっていたから、追ってこられると断ち切れなかった。
赴任は2年の予定だから、あと半年で地元に戻るというし、家族の元に戻ったら、この関係も終わる。ならば、あと半年は期間限定でつきあっていてもいいかなって。ただ、彼がいなくなった時に、すごく寂しくなるだろうから、並行して婚活をして、この半年間のうちに結婚相手を見つけたいんです」
とはいえ、私のところに入会する決意もまだつかなかったようで、入会案内や料金表をバッグにしまい、「自宅でよく考えて、2、3日中にお返事します」と言って帰っていきました。
その後、佳恵さんからの返事はありませんでした。他の相談室に入ったのか、婚活アプリなど他の手段で婚活を始めたのか、わかりません。もしかしたら婚活をせずに既婚男性との関係をズルズルと続けているのかもしれません。
ご自身の人生はご自身のもの。そして、人生の岐路に立たされた時に、どんな道を選択するかは、ご自身です。
ただ、古い靴を履いていたら足が塞がっているので、新しい靴は履けませんよね。既婚者の彼と会っている時間に婚活はできません。付き合っている男性がいたら、寂しくない。本気で婚活に臨まないと思います。
さらに言うなら、結婚は、「選ぶこと」と「選ばれること」がイコールにならないと成立しません。既婚者を相手に恋愛をしていても、この法則は成り立ちません。また、「結婚」は「決断」ですから、どこかで腹をくくらなければ、結婚相手は見つからないのです。
鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/