「僕の肩書はあくまでも“歌手”。それは昔も今も変わりません。“お芝居やらないで、音楽だけやっててほしい”って声もけっこう多いみたいで。でもその気持ち、すごいわかる。僕も昔好きだった人がお芝居をやっちゃって、歌だけやっててほしいって思ってましたから」
昨年の朝ドラ『ひよっこ』に出演し、来月放送開始のドラマ『高嶺の花』では石原さとみの相手役に、2019年の大河ドラマにも出演予定と、役者としての活躍も目覚ましい銀杏BOYZの峯田和伸(40)。
一部のファンからの反発を買いながらも役者をやる意味を問うと、“誘われたから”と答え、故郷の山形弁なまりで言葉を続ける。
「自分からやろうと思って始めたことではなくて、オーディションを受けたこともないんです。それをやったら俳優になっちゃうから。僕は歌手。年間スケジュールもまずはツアーとかレコーディングとか、基本的には歌手としての仕事が優先です」
音楽活動に加えて役者業。まさに“二刀流”な峯田だが、次に出演する沢尻エリカ主演の映画『猫は抱くもの』では、主人公の心を変えていく画家役として新たな魅力を発揮している。
「銀杏BOYZのジャケットを描いてくれてる箕浦(建太郎)くんという友達がいて、彼ってしゃべっていても不思議な空気感があるんですよ。目線もちょっと普通の人と違う。絵描きの役と聞いて、まずは彼をイメージして演じました」
そんな自身の日常が“カラフル”になるのは、どんなとき?
「新しい曲が作れたときかな。1年365日の中で、何日間か曲が生まれる日があって、その日は周りがいつもとは違った景色に見える。1曲生み出せたときに、“あぁ、やっと胸をはって歩けるな”って思えるんです」
猫は飼ったことはないけど……
「昔付き合っていた彼女が猫を飼っていましたね。僕自身? 僕は高校のとき犬っぽいって言われてました。今、それで思い出しましたけど、授業中に寝てたら目の周りを黒く塗られて、『ビリ犬(けん)』に似てるって。そのせいで1年生のときはずっとビリ犬って呼ばれてたな(笑)」
■映画『猫は抱くもの』6月23日(土)全国公開 なりたい自分になれていない沙織(沢尻エリカ)が心を許すのは飼い猫の良男(吉沢亮)だけ。そんな彼女の前に売れない画家・ゴッホこと後藤保(峯田和伸)が現れ……。実写、演劇、アニメーションパートと見る側の想像力を刺激する演出が面白い!
みねた・かずのぶ◎1977年、山形県出身。銀杏BOYZのボーカル&ギター。’03年に映画『アイデン&ティティ』で役者デビュー。昨年の朝ドラ『ひよっこ』でヒロインの叔父役を務め、注目を集める。7月スタートの新水曜ドラマ『高嶺の花』(日本テレビ系)に出演予定。