指導していただく前に自主トレします

 ご自身の野球人生でいちばん印象深いことは?

「小6のとき、リトルリーグの最後の大会でのことなんですけど。ライバルチームの平塚リトルとの試合で、僅差で僕らのチームが勝ってて。その後、逆転されてボカスカ打たれて5点差になったときに、僕の打席が回ってきて、ひとつ年下の後輩を代打に送られたんですよ。僕はそのときの相手ピッチャーがすごく苦手で以前から打ててなかったからっていう理由なんですけど、リトルリーグの最終打席に代打を出されたのはすごく悔しかったですね。その試合のことは今でも細かく覚えてます」

安西慎太郎 撮影/森田晃博
安西慎太郎 撮影/森田晃博
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 某有名高校からスポーツ推薦の話も来るほどだったが、高校2年の春にひじをケガして断念。俳優を目指すようになった。

「戦争とケガではぜんぜん違うものですけど、野球をやることで絶望とか希望とかを知ることはできたので、そういう意味では役とか作品に何か生かせるとは思うんですけど」

 クールな役を演じることも多いせいか、野球について熱く語る様子は、少しギャップがあって印象的。

でも、好きなことだと、ずっとしゃべっちゃう。意外と熱血系なんですかね(笑)

 今作は、元プロ野球選手の桑田真澄さんが野球監修することでも話題。キャストに直接、野球の指導もするという。

いや、指導していただけるなんて、すごいことですよ。冷静に指導を受けられないんじゃないかと思ますね。芝居の稽古(けいこ)より楽しみかもしれない(笑)。だから、指導していただく前に自主トレしますから。一応、野球経験者ですから、たぶん野球経験者なんだなって見られ方をすると思うので、“ちょっとアイツやるな”って思われたいから。野球をやっていたというプライドが一応ありますのでね(笑)。稽古のオフ日も全部、野球の練習がいいですね。オフいらないから練習したい」