異様な犯行なので無視してはいけないと判断した主婦は翌29日、県警市川署に110番通報。同署生活安全課の制服警官と私服の刑事数名がすぐに駆けつけた。
「猫が通りそうな庭の端など家の内外を3時間近く捜査されていました。刑事さんは“塀の外から投げ込まれたんじゃないか”とおっしゃっていましたけれど、私は違うと思う。だって投げ込んだら、あんなにきれいに平たく貼りつくはずがないもの」(同主婦)
被害宅の庭では、もうひとつ異変があった。
「毛皮のそばに止めていた孫の自転車の後ろのタイヤが、事件のあとでパンクしていることがわかったんです。犯人がパンクさせたんじゃないかと思って」(同)
下半分だけがない、子猫の死体
さらに、この現場から北東に約800メートルのJR高架そばの駐車場で6月4日午後5時ごろ、別の猫の惨殺死体が発見された。この地域で野良猫にエサをあげたり、不妊手術をして地域猫にする活動を続ける女性ボランティアが話す。
「駐車場の隅の車のところで、頭のない生後3か月ほどの灰色のアメショ(アメリカンショートヘア)柄の猫が横たわっていたんです。野良猫ですから、たぶん雑種でしょうけど。内臓が飛び出していましたが、出血はありませんでした」(女性ボランティア)
別の場所で殺害し、血抜きをしたうえで遺棄したのだろうか。女性ボランティアは地域猫にエサをあげようとして、むごい死体に気づいたという。仲間が前日午後7時ごろ、同じ場所でエサをあげたときには死体はなかった。
「事故や猫どうしのケンカなどでそうなったのではなくて、明らかに人間の虐待によるものだと思ったので、市川署に110番通報したんです」
と女性ボランティア。
県警市川署は、何者かが猫の死体を遺棄したとみて、近くの防犯カメラの映像をチェックするなど捜査を続けている。
「駐車場の子猫の死体は頭部の上半分は残されており、下半分だけがなかった。首にかけての肉もないなど、ひどい死体だった」(捜査関係者)
この女性ボランティアは通報後、市川市議の宮本均氏(59)に連絡を入れた。