ルールはまず親が守る
もちろん、すぐに何でもできるようにはなりません。しかしやり方を教え、一緒にやってみたら、次からはひとりでやらせる。できるようになるまではきちんとできているか観察をして、できなかったところを教えてあげる。それを繰り返しているうちに必ずできるようになります。
「一時的に手間がかかっても、自分でやる習慣をつけてあげてください」(山口さん)
子どもにルールを守らせるためには、親も約束は絶対に守るという姿勢が大切。
「約束したら相手が誰であれ必ず実行するということは、親の態度から学ぶもの。週末に一緒に出かける約束をしたら、どんなに忙しくても守りましょう。逆に守れない約束はするべきではないと思います。
どんなにささいなことでも、誰かと取り決めたことを、“まっ、いいか”と反故にする姿を見せておいて、子どもに“ルールを守れ”と言ってもそれは無理です」(山口さん)
子どもの就寝時間を決めているのに、自分はママ友の食事会が長引いてうやむやにしてしまうなんてこと、していませんか? 子どもの生活を正すためには親の姿勢が重要なのです。
男の子と女の子は勉強面でどんな違いがある?
「男の子はめんどくさがりで計算問題の検算をするとか、漢字を何度も書いて覚えるという手間のかかることを嫌がります。しかし、そこで叱っては逆効果。検算をしなくてテストで間違えたら、“本当は〇点多く取れたはずなのに、もったいない! やればできるから頑張って”“1回でここまで理解してるなら、もう1回頑張ればすぐ覚えるよ!”と、褒めてやらせるのが正解。子どももやる気になります。
女の子の場合はまじめだけど、融通がきかない面が。1度順番を決めたからと、優先順位が低いものから始めていたり、やる必要がないことを続けていたりします。この場合も、“何いつまでやってるの!?”と頭ごなしに言うのではなく、“あのときはこういう状況だったからやったほうがよかったけど、今は違うからやらなくていいのよ”というように、気づかせてあげると、一歩前に進むことができます」(山口さん)
家族全体の生活習慣が「勉強する子」が育つかどうかを左右します。親も一緒に自分の生活を見直してみるいい機会になるでしょう。
山口真由さん 東大法学部を首席で卒業。大学3年時に司法試験に合格。卒業後は財務省に。退官後、弁護士として勤務。ハーバード・ロースクールに留学、修了しニューヨーク州弁護士資格を取得。現在はテレビのコメンテーターや執筆活動などを行っている。大学時代は塾講師や家庭教師も多く経験。近著に『東大首席・ハーバード卒NY州弁護士と母が教える合格習慣55』(学研プラス)