マンションの自治会長は退去について、
「いや、わからないんですよ。どうなっているのか、(事件以来)会ってないですね。出て行くのかどうかも決まっていないと思います」
と、問題が宙ぶらりんのままであると認める。
地域の福祉関係者が、砂かけ女の車を移動させたことがあったという情報から、地元の地域包括支援センターの担当者を通し、施設の砂かけ女への直接取材を試みたが、
「個人情報のため、どこにいるかなどはお伝えすることができません」
との回答だった。
前出・被害女性は、
「とりあえず施設に入っていたんだけど、いったん帰ってくるっていう話は聞いていたんです。ただ、もう私にとってこの問題は終わったので。もしあの人が帰ってきても、何もしてこなければ別にいいかなって思います」
男性住人は、
「現状は静かで平和ですが、家の荷物もそのままだと思いますので、いずれ戻ってくるかもしれないですね」
と、少しばかり不安は残っている印象だった。
近隣住民が“平和”と口をそろえる、逮捕当日からの穏やかな日々は4か月目に突入した。
しかし、この“平和”が“つかの間の平和”で終わるのか“恒久平和”を実現できるのかは、砂かけ女次第。
事件直後、近隣の主婦は、「行政の支援が欲しいですね。もめごとが我慢できずに、刃傷ざたになることもありますからね」と懸念していた。
ひとりで戻ってきたときに、近所への復讐心が芽生えないか。不安の種は残されたままだ。