さらに、男の子は体力もあって、直前の猛勉強でぐんぐん成績を伸ばします。受験はそういう男の子と競うわけですから、女の子は早めに受験勉強に取り組むべきなのです。

 実は、長女は頑張りすぎたのか、高校2年の2月に体調を崩して、首にしこりができ、医師から「急性リンパ節炎が疑われる」と言われました。

 私はそのとき、「命がいちばん大事。今年、受験できなくても仕方がない。焦らず治そう」と覚悟を決めました。高校3年の4月はほとんど学校に行けませんでしたが、ゆっくり休んでいたら体調は回復し、5月中旬にはしこりも消えて元気になりました。

 高3という大事な時期にゆっくりと休みながらも現役合格できたのは、中1から鉄緑会に通い、進度が早いカリキュラムで勉強していたからだと思います。やはり、女の子は早め早めが「正解」でした。女の子はまじめなので頑張りすぎにも注意してほしいと思います。

高3の夏の“冷戦”

 娘の受験期で忘れられない出来事といえば、高3の夏の“冷戦”です。夏休みに2日間、娘と口もきかない大げんかをしました。

 原因は塾の夏期講習でした。3人の息子たちは、素直に私の言うことを聞いて、夏期講習には行かずにひたすら家で模試の過去問を解きました。ある程度力がついているならば、夏期講習を受けてインプットするよりも、予備校の東大模試の過去問題を解くアウトプットをしたほうがいいと私は思っています。

 また、娘は春先に体調を崩したので、暑い夏に塾通いで体力を消耗しないように、息子たちと同じ方法を勧めたのです。

 しかし、娘は夏期講習に行きたいと主張。「ママは自分のやり方でたまたま成功したかもしれないけど、私は私。同じようにはいかないのよ」とまで言ったのは、私も「はぁ? 何言ってるの?」と思いましたね。

 当時、息子たちはすでに進学で家を出ていたので、昼間、私と娘はつねに2人きり。息抜きに外出したかったのかもしれませんね。女同士の反発もあったかもしれません(笑)。

 後からわかったのですが、娘はまだ体調が万全ではなく、得意な数学の調子も戻らなかったので、不安だったらしいのです。だから、夏期講習を受けたかったそうなのです。

 幸い、東京に住む息子たちが電話で娘に「ママのおかげでうまくいった。今は言うことを聞いたほうがいいよ」とアドバイスしてくれました。一方で娘の気持ちも考えて、「2日間だけ夏期講習に行く」という折衷案を提案してくれたので、そうすることにしました。

 その結果、秋の東大模試では、成績優秀者に名前が載り、娘は「ママの言うとおりにしてよかった」と言ったので、私は「ほらね」と返し、めでたしめでたしでした。