働く女性の先駆者として走り続けきた彼女だが、40歳のときにTBSプロデューサーの岩崎嘉一さん(享年60)と結婚。妻となったことでヒットを飛ばすようになった。
「たまたまオールドミスならぬ4歳下の“オールドミスター(?)”と出会いました。しかも、TBSのサラリーマンで月給が入ってくる。それまで独身時代の私は、生活がかかっているので“書き直せ”と言われれば、頭にきても言うことを聞いていたんです。
でも、結婚してからは“亭主が食べさせてくれるから仕事がなくなってもいいや”と居直って、好きなように書き始めたらヒットしだしたんです。
しかも、私は早くに両親を亡くしてひとりぼっちでしたけど、主人のほうにはお姑さんも小姑もいたので、そのうっぷんもたまって嫁姑の話がいくらでも書けました(笑)。主人は次男だからいいと思って結婚したけれど、お兄さんよりもマザコンだったし、夕方に洗濯をして叱られたので弁解したら、“東京の壽賀子は口応えする”なんて姑に言われたり。
でも、それがなかったら、『となりの芝生』も『おしん』も『女太閤記』も書けませんでした」
昨年の『流行語大賞』にも選ばれた“忖度”は、そこにはいっさいない。
「忖度するほど神経が細かくないですから(笑)。これを書いたら誰かが迷惑するとか、この人にごまをすればいい仕事がくる、というのもないです。好きなことを書いて、仕事がこなかったら、それでいいという気持ちで書いてきましたね」
最後に、今後の連載に対しての思いを聞いてみた。
「言いたいことを言えなくなるのは悔しいから、直接、こうやって誌面で吠えるのもいいんじゃないかなと。
私はインターネットもSNSもまったくわかりませんので、炎上とは無縁ですから、辛口に思いきり言いたいことを言っていきますよ(笑)。
とても“個人的な意見”を述べさせていただきますけど、年寄りの勝手気ままなわめきも聞いていただければなと思ってます」
(『週刊女性』 9月25日発売号よりスタートしたします)