上品な磯の香りとシャキシャキ感、独特の粘りに加え、美容や健康によい栄養素の高さも注目され、逗子の新名産となった。確かに、あかもくを練り込んだうどんやそば、調味料などは初めて見るものばかり。
大川店長に店内をぐるりと案内いただくと、スズキヤの魅力がさらに見えてきた。市内の小坪港から届く新鮮そのものの魚、鴨やラムなどの豊富さ、店長も現地の仕入れに同行したというイタリアワインの品ぞろえなど、目を見はるものが盛りだくさん。
また地場の食品や作り手に敬意を払い、よいものを仕入れる姿勢に加え、プライベート商品にもファンが多い。ロングセラーは、糖度を42%以下に抑えた果実感たっぷりの「いちごジャム」や特製の「熟成ポークウインナー」。また、1枚1枚が手作りならではの薄さとアーモンドの香ばしさがクセになる洋菓子「チュイール」は、贈られた相手からの注文が全国から届くそう。
「社長が熱心にくどいた、良質な氷菓が人気の鎌倉の『イグル氷菓』のアイスや、葉山の“裕次郎灯台”が包装に描かれた『大繁』の寿司などもおすすめです」
惣菜では、“逗子市くらしのセレクション”に選定された「自家製おつまみ煮豚」、地元で作られたバーニャカウダソースも人気。
「高齢のお客様の増加やひとり暮らしにも対応できる、少量の野菜セットやレンジ調理だけで完成する品にも注力しています」
スズキヤの細やかな配慮やセレクトには、社長の中村(旧姓鈴木)洋子さんの慧眼とセンスが大いに反映されているそうだ。社長の2番目の兄は、「ひとつ先のライフスタイル」を提案してきたサザビー(現サザビーリーグ)創業者。
そして長兄は前社長で、元逗子市議会議員とまさに華麗なる一族。鈴木家のセンスが生かされた品ぞろえを、ぜひ店舗の2階にある雑貨とワインの『舶来屋』とあわせ確かめてほしい。
※価格は取材時のものです