蒼井優さんに稽古着を教えてもらった
「すごくなじみがあったものではなかったので、“ああ~やっと自分の生活の中に舞台ってものが入り込んでくるのかも”って思ってます」
と、初舞台を踏む心境を独特の言葉で表現する森川葵さん。今、ドラマに映画に引っ張りだこの人気若手女優が挑戦するのは、宮藤官九郎演出『ロミオとジュリエット』のジュリエット役。宮藤官九郎初演出のシェークスピア作品というこでも注目を集めている。
「出演が決まったときに周りの人からも言われたんですけど、宮藤さんの演出でロミオ役の三宅弘城さんと私の27歳差のロミジュリってだけで、面白くならないわけがないだろうなと感じて、自分でも見てみたいと思いました」
森川さんが宮藤作品に出演するのは、'14年に脚本を手がけたドラマ『ごめんね青春!』、脚本と監督を担当した'16年公開の映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』に続いての3回目。初の舞台が宮藤作品でよかったと言う。
「いろいろな場所でいろいろな形で宮藤さんとお会いできているのは、すごく幸せな環境で本当にありがたいなって思います。いつも自分の知らない面をスッと引き抜いてくださる。“ここに扉があるんだよ”ってほんの少し開けてくれるので、そこを自分で少しずつ開けていく感じです。この人のもとでなら絶対大丈夫だろうっていう安心感があるんですよね。だから初めてがこの宮藤さんの舞台だったら、絶対に舞台そのものを好きになるだろうなって気がしたんです。ポスター撮影で久々にお会いしたときにも“僕、初めての人、得意だから安心して”って言ってくれました」
新しい作品に入るときは、いつも心配して考えすぎてしまうタイプで、今回も呼吸が苦しくなるような緊張感を感じているそう。初舞台に向けて準備していることは?
「私は本当に舞台っていうものを知らなすぎるので、まず稽古ってどういう格好でしているのか最近、仲良くさせていただいている蒼井優さんに聞きました。それでジュリエットだったらふわっとしたレッスン用のスカートを着るといいとか、いい稽古場用のシューズも教えてもらいました。あと友達の黒島結菜がボイトレの先生を紹介してくれました。そういう物理的なことばかり周りに聞いてますね(笑)」
いちばんの課題は「初めから終わりまでセリフを覚えられるのか」ということ。
「ドラマや映画はシーンごとに撮影していくから、やり直しがきかない一発本番で通して演じたことがないので心配ではありますね。でも一連で気持ちの流れを最後まで演じられるのは楽しみです。城田優さんにも、“スイッチが入ると、その世界に入る感じになるタイプはすごく楽しいと思うから、きっと葵ちゃんは舞台好きなほうじゃない”って言われたので、どんな経験ができるのかなと」