情報番組デスクが、舞台裏を明かす。
「騒動の翌日、スポーツ紙やテレビ局は、沢田に事情を聞こうと自宅で直撃しようとしたんです。沢田サイドも、ファンに迷惑をかけたので、沢田の思いを伝えるために急きょ、取材に応じるしかないと判断をし、取材陣に対応しました」
そこで沢田は、事情を説明すると同時に、スカスカの客席について
「僕には意地があるからね。だから今回は僕はできません」
と中止の理由を付け加えた。
9000人を呼ぶと約束していた主催者。実際にさばけたチケットは7000人。
「それでもやるのが客商売。ジャニー(喜多川)さんの『ショー・マスト・ゴー・オン』を聞かせてやりたいですね。そもそも沢田は、長年のファンに支えられているから、コンサートツアーだけで食っていけているんです。
にもかかわらず以前は、ライブの前列に陣取る熱烈なファンに対し『やる気が失せる』というような暴言を吐いたことがありますからね。今一度、ファンのありがたみを感じた方がいいですよ」
と前出・スポーツ紙記者は突き放す。
日本レコード大賞を受賞した往年のヒット曲『勝手にしやがれ』(1977年発売)には〈♪せめて少しはカッコつけさせてくれ♪〉という歌詞がある。
あれから40年。沢田、70歳。時の過ぎ行くままに、である。
<取材・文/薮入うらら>