3世帯が引っ越していった

 恨まれる覚えはなかったが、その直前に「マンションにうるさい人がいる」とネット掲示板に投稿があり、それを「岩上さんの仕業」と決めつける怪文書が複数世帯にまかれていた。

「全くの事実無根です!」(同)

 動画撮影後から北川容疑者嫌がらせは本格化する。

 顔を合わせるたびに「犯罪者!」「盗撮魔」「おっさん! 謝れ!」と大声で叫んだり、自宅のポストには10数枚にもなる誹謗中傷の手紙が投函された。ほかの階の住人宅にも「(岩上さんに)盗撮された」とするビラを放り込むなどエスカレートしていった。

「外に出るとき、家に入るとき、どこでばったり会うかわからないのが本当に怖かった。いつ何をされるか、いつ来るのかわからないので不安で眠れない日々が続きました」

 と岩上さんは声を震わせた。

 ターゲットは岩上さん一家だけではなかった。度重なる嫌がらせに耐え切れなくなった隣人は入居から2年で引っ越し、次に入った住人も3年ほどで引っ越していった。

容疑者の誹謗中傷が原因で少なくとも3世帯は引っ越している」(前出・女性住人) 

 被害を受けた6世帯には元自治会役員や、「巻き込まれたくないので被害の詳細は明かせない」と口をつぐむ人も。

 それほど重い罪にはならないとみられるため、容疑者が戻ってきた後の“復讐”を警戒しているようだった。

「岩上さんは6年も続いたストレスでかなりダメージを受けており、家族も参っているそうだ」(前出・捜査関係者)

 容疑者宅のインターホンを何回押しても応答はなかった。今、マンションは静けさを取り戻している。