役を生きること
池井戸潤原作の同名小説を、相葉雅紀主演でドラマ化。寺尾聰演じる主人公の父親の部下役で、昼間は事務員。夜は母親の介護費用を捻出するために、熟女パブで働く正義感の強い女性を演じた。
「台本を読んで、彼女は下着でひそかにプライドを維持しているんじゃないか、と役を解釈。真っ赤なTバック、ブラを購入して着用し、臨戦態勢で演じていました。
また監督とも話し合い、“脱いだらスゴい”という設定も加えて、バストも1キロほど増量したんです。そうすることで自然と重心が下がり、声も低くなり、怒りの表現に説得力のようなものが出たんです。
蜷川さんの舞台に出たとき、“肉体と精神はつながっている”と教わったのですが、そのときに身をもって知って。そこから、役を生きることが楽しくなりました」
ひとつひとつの作品に体当たりでぶつかり、もがくようになったことで女優としての評価もうなぎのぼり。オファーの絶えない実力派女優へと成長し連ドラ初主演のチャンスをつかんだ。
「主演ができる女優を目指し再出発しましたが、それすら忘れかけていた30代後半で、私に期待をかけてくれる方がいるということがうれしかったです。
頑張っていたら、こうしてどこかで見てくれている人がいるんだなと思うと、芸能界も夢あるなって(笑)」
そして、NHK BSプレミアムで放送中のドラマ『主婦カツ!』では憧れの鈴木保奈美との共演も果たした。
「同時に夢を叶えられ、毎日が幸せすぎて、もう仕事を辞めてもいいと思えるほど(笑)。
『ブラックスキャンダル』は文字どおり身を削るほど、回を重ねるごとに衝撃的な展開が待っています。チーム全員が一丸となって戦っている作品なので、役者たちの生きざまを見てもらえたらうれしいですね」
スタッフに言われたアドバイスで心に残ったものは?
「バラエティーの失敗がトラウマになっていて、番宣に出るのが今でも怖いんです。
でもマネージャーに、“僕はそのままの紗弥加さんが好きなので、そのままで出てください。はっきり言って紗弥加さんは面白くないから、面白いこと言おうとしなくていいです”と言ってもらえたら、すごく楽になって。
今は番宣でいろいろとお邪魔するのが楽しくてしかたないです。」