「赤ワインと一緒に料理を食べてました。ボトルで頼んでいたので、店員さんが気をきかせてグラスに注いであげていましたが、そのときも“すみません”と丁寧に頭を下げていましたね」(前出・目撃したOL)
やはり1時間では、話も終わらなかったのだろう。すぐに閉店時間になってしまったようだが、
「お店側の計らいで、閉店後もしばらくは食事ができたみたいですね。お会計は宇多田さんがしたそうですが、なんとふたりが帰った後に、テーブルの上には5000円のチップが置いてあったそうですよ」(常連客)
閉店時間を過ぎても営業を続けてくれた、店への感謝の気持ちもあるのだろう。
それにしても、チップの文化がない日本で、サッと5000円を出せてしまうあたりがなんとも粋でスマート。海外生活の長さをうかがわせる。
特別な生い立ち
日本人的な気遣いと西欧のマナーがまじり合った振る舞いには、宇多田の生い立ちが影響しているらしい。
「彼女は常に人のことを気にかけながら生きてきた人。日本人的な気遣いのできる女性なんです。ただ、ニューヨークで育っていますから、アメリカ人の感覚も持ち合わせている。スタッフにもやや辛口なアメリカンジョークを言うんです。その感覚がわからない日本人スタッフがキツく感じてしまうことも」(レコード会社関係者)
誤解から彼女が怖い人というイメージがついてしまった側面もあるようだ。
「宇多田さんがある意味、反面教師にしていたのが母親の藤圭子さんでした。でも、いつの間にか似てきてしまった」(同・レコード会社関係者)
'13年に亡くなった母親に対しては、愛憎がないまぜになった複雑な感情を抱いていた。
「今年6月に放送されたNHK『SONGS』では、インタビューで“曲ができあがるときにもとになるのは、すべて損失の話。それが大きければ大きいほど、いい作品が生まれる”と語っていました。宇多田さんにとって、母の死は人生で最大の損失。6月に出た最新アルバムには母を亡くした喪失感を歌っているように見える曲が多く収録されています」(音楽ライター)
音楽活動への旺盛な意欲は、レコード会社を移籍したことも後押ししている。