家の外にコンセントがないため主婦は設置を断ったが、
「今から考えると、容疑者宅をピンポイントで見張りたかったんでしょうね。ここからだと、よく見えますから。夫婦の出入りや他の誰かの出入りもね。ということは、ほぼ1か月前にはマークしていたということよね」
と振り返る。
東京・山手線。JR大塚駅から徒歩8分ほどに、友梨亜容疑者が暮らす8階建てのマンションがある。住人は若い単身者が多い。
「このマンションは入れ替わりが激しくて、管理人さんも容疑者のことを知らなかったくらいです」
とマンションの住人。新聞受けには『宮腰』と書かれた名札が貼ってある。それ以外に生活の痕跡が見当たらない。
今年8月、和夫容疑者の姿が、長野の生家近くで目撃されていた。近所の住民が話す。
「和夫さんがひとりだけで、実家に戻って来たのを見ました。もともと宮腰さん一家は、物静かな方たちでした。
お母さんは4年くらい前に亡くなりました。4歳くらい離れた弟さんは、別に所帯を持っています。兄弟の仲もよかったです。和夫さんはおとなしい人で、何でこんなことになっちゃったんだろうって思いますね」
今は、ひとり暮らしになった和夫容疑者の父親は、テレビの取材で、息子にはパチンコによる借金があったと語っていたが、
「いや、もうお話しすることはありませんから。もう終わりにしたんで」
息子が、自分と同年代の高齢者をだまし現金を奪ったことに、謝罪はなかった。
和夫容疑者がパチンコでどれくらい借金を背負っていたのかはわからない。一部報道によると、和夫容疑者が詐欺グループに「妻や娘にできる仕事はないか」と打診したという。母娘の本業の稼ぎでは足りないほど追い込まれていたのか。
家族会議はしばらくできない。