女優とアイドル
舞台に女優として立つことは、アイドルとしてはなかなか味わえない喜びをもたらしてくれたのだとか。
「アイドルだと、いかに可愛く見せるか、みんなでいかにそろえるか、というところが大事なんですね。個性を出すこともありますけど、ひとりだけはずれたことができるかといえば、それはないんです。
でも演劇の舞台ではひとりですし、自分の経験を全部投影しながら感情も“うれしい、楽しい”だけじゃなくて“悲しい、悔しい”というところも出さなきゃいけない。だから“常に新しい自分が出てくるな”と感じていました。
自分を出していいどころか、どんどん出していかないと負けちゃうので、自分を解放できるんです」
『レベッカ』を終えたとき、「わたし」のように変わっていたいと思っている。
「私はひとりっ子で過保護に育てられましたし、いまはグループにいて責任もみんなで分け合ってという状況なので、ひとりでポンと別の環境に出されたときすごく弱いと思うんです。
そういう心もとなさやウブさは、最初のころの“わたし”とリンクすると思うんですね。でも“わたし”はだんだんと強くなって、しっかりと自分の足で立てる女性になっていく。
だから私自身も壁にいっぱいぶつかると思うんですけど、それを乗り越えて、“わたし”みたいにドシッと構えられるような存在になりたいなと思っています」
■ミュージカル『レベッカ』 女流小説家ダフネ・デュ・モーリアの原作を、ウィーンミュージカル界の名コンビ、ミヒャエル・クンツェ(脚本・作詞)、シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)がミュージカル化。東京公演は10年前に初演の幕を開けたシアタークリエの開場10周年記念公演として上演される。12月1日~4日 シアター1010(プレビュー公演)、12月8日・9日 刈谷市総合文化センターアイリス 大ホール、12月15日・16日 久留米シティプラザ ザ・グランドホール、12月20日~28日 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、 2019年1月5日~2月5日 シアタークリエ。詳しい情報は公式サイト(https://www.tohostage.com/rebecca/)
(取材・文/若林ゆり)