その公開日について、登壇者が慌てふためく場面があった。
「誰が7月19日公開に決めたの?」「僕らとしては夏公開でいいんじゃないかと」そんな会話がやり取りされたのだ。
そのことからも、ぎりぎりの進行状態であることがうかがえる。
「配給は東宝。上場企業ですから、夏休みに入って一番稼げるスケジュールで公開したい、それで収益を上げたい、ということを株主にもアピールしたいわけです。そのしわ寄せは、結果、現場のアニメーターやCGクリエーターにいくわけですからね」(映画担当記者)
東宝は2017年8月18日に公開したアニメ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の公開前に、マスコミ試写会の予定を延期した過去がある。7月12日から予定していたそれを、制作が遅れたため延期したが、8月18日の公開日は死守できた。
東宝の川村元気プロデューサーは、
「7月19日公開と書いてあるんですけど、恐怖でしかない」
と、配給側とは思えない本音を吐露。新海監督は、
「死守するつもりでやっています」
と、語ったが、さて、綱渡りの完成→公開のスケジュールがうまくいくのかどうか。
来夏に向け『天気の子』のアニメーター&CGクリエーターの暑い夏がすでに始まっていることだけは、疑いようもなく確かなようだ。
<取材・文/藪入うらら>