昨年2月、静養のため訪れた葉山御用邸でのワンカット。天皇・皇后両陛下とも笑顔で地元住民たちと歓談された
昨年2月、静養のため訪れた葉山御用邸でのワンカット。天皇・皇后両陛下とも笑顔で地元住民たちと歓談された
【写真】葉山御用邸で地元住民らと歓談される天皇・皇后両陛下

殿下からキャンディーを手渡された

 次の天皇となる皇太子殿下には、ご成婚前から密着取材していた。実は、雅子さまをお妃候補としていち早くスクープしたのが沢田さんだった。

 皇太子さまの趣味である登山に同行していたときのこと。休憩中にお湯を沸かして紅茶を飲んでいたら、「殿下にも紅茶を」と侍従に頼まれ、いれて差し上げた。しばらくすると殿下が「先ほどはごちそうさまでした」とキャンディーをくれたことをよく覚えている。

「僕らは、お妃候補とどこかで出会うんじゃないかとくっついてきただけの、いわば“覗きの一行”。ありがとうだけでも十分なのに、ちゃんとキャンディーを返す。殿下の誠実さと律義さを肌で感じました」

 学習院大学OBの沢田さんは学生時代、キャンパスで皇太子さまを見かけたことがある。いつもシャツのボタンを首元までキッチリ締めた姿が印象的だったという。

「そういう誠実でまじめな殿下に全力でお守りすると言われて、雅子さまも心を決められたのでしょう。ただ、殿下はリーダーシップを発揮できるタイプではないと思います。自分の意思で動かれて発言もする秋篠宮さまと違って、殿下は敷かれたレールの上を歩んできたように見える。大丈夫かな、と少し不安に感じますね」

 皇太子さまには即位後、スピーディーな行動力や発信力を持ってほしいと話す。

「例えば災害が起きたら、自衛隊のヘリを使って、雅子さまといち早く駆けつけるとか。また両陛下が続けられた慰霊の旅のように、国民の痛みに触れるような行事や専門領域を増やしてもらいたいですね。記者会見でも、もっと自分の言葉で話す機会を増やして発信することが、次の時代は大事だと思います」


《PROFILE》
沢田浩さん ◎書籍編集者。週刊女性在籍時には皇室担当として取材を行う。皇太子妃候補として小和田雅子さんの存在をスクープ