何を根拠にそんなことを言いだすのかと聞けば、
「借金は認めているし、ちゃんと返すつもりで、仕事も一生懸命やっています。アンナちゃんを騙しているようには見えないし、私の目をじっと見ながら手を握って話してくれたんです。とってもいい香りがしたし、素敵でした」
と。同じようなことを語っていた記者は彼女だけではない。
私がアンナに取材したときも「彼はみんなが言うような人じゃないです。私は騙されてなんかいませんよ」と語っていた。
そしてこれは、羽賀を取材したときの話。
彼がアンナ名義で購入した高級外車を乗り回しているということで取材に行くと、早速その車を発見。張り込んでいたら、なんと向こうからから声をかけてきたのである。
「車の名義はアンナですが、お金は自分が支払っています。収入だって、なんやかんやで1億近くありますから、すべて“誠意”をもってやっています。僕を信じてくださいよ!」
と、私の手を握り、目をしっかりと見つめて、熱く語ったのである。確かにいい香りがした。その上、
「何かあったら、電話してください」
と、携帯電話の番号まで教えてくれたのには驚いた。さすが“誠意大将軍”と名乗っただけの男だ。
若い女性記者を籠絡することなんてそれほど難しいことではなかったろう。
結局、塀の中に送られてしまったが、彼の名が芸能界の黒歴史に深く刻まれたのは間違いない。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。