女性が社会で重要な役割を果たすために
最後に、女性が活躍するために必要なことですが、前述のとおり管理職になることへの消極的な姿勢は、現在の環境に原因があるかもしれません。会社としては管理職登用を促すことよりも先に、ライフイベントにとらわれずにキャリアを積み重ねていけるための環境を整備し、働きやすい会社だと思ってもらえるための土台作りをすることが必要だと考えます。
一人ひとりの生き方になるべく寄り添える制度を考えることが、これからより重要になってくるでしょう。自分に合った選択をしていけることが、女性がのびのびと活躍できる社会をつくる源泉となるのではないでしょうか。
女性活躍の推進は、もちろん女性の自己実現の場を広げるためではありますが、社会全体の「働き方」をスムーズにする働きも持っています。多様性は企業の生産活動を活発化し、性別によらない優秀な人材によるマネジメントは、組織をより円滑に回していく重要なカギとなるはずです。
<プロフィール>
芦田敏之 ◎あしだ・としゆき。税理士法人ネイチャー国際資産税・代表税理士。1978年、神奈川県横浜市生まれ。大手税理士法人に勤務後、'12年に税理士法人ネイチャー国際資産税を設立。近年は、働きやすい職場環境づくりへの取り組みが各メディアに取り上げられるようになり、新聞、経済紙などへの記事掲載の他、web媒体への取材協力やテレビ番組出演など、税務業界以外からも注目を集めている。著書に『日本一働きやすい会計事務所』(クロスメディア・パブリッシング)。