ファンに「神対応」
彼女の笑顔パワーは、ファンにも届いていた。昨年10月に静岡県富士水泳場で開かれた『岩崎恭子カップ2018静岡招待スプリント選手権水泳大会』。池江が参加すると、定員だった3000人分の座席が埋まったという。
「9月の国体が終わると、トップ選手にとってはオフシーズンになります。池江選手も本来なら休みたいはずなのに、お願いしたら来てくれることになりました」
そう話すのは、静岡県水泳連盟で競泳委員長を務める白畑文彦さん。
「大会前日から来てもらい、静岡水連のメンバーや招待選手が参加して円卓を囲んで食事をするレセプションがあったのですが、池江選手は本当に明るく対応してくれて」
大会当日の午前中にサイン会を行うと、とんでもない数の人が殺到したという。
「サインをした数は200人ぐらいだったと思います。1人30秒ぐらいで対応してもらったんだけど、時間内にこなしきれなくて。そのときに彼女のほうからサインできなかった人たちに“写真、一緒に撮りましょう”って言ってくれたんです」
“神対応”を見せたのは、水泳界を盛り上げたいという思いから。憧れの眼差しで見つめるジュニア選手たちにとって、最高の贈り物となった。
「休憩時間に池江選手が突然“先生、富士山が見たい”と言いだしまして。ちょうどいい天気だったし、この水泳場には富士山を眺められる見晴らしのいい場所があるんです。そこに三木コーチと私と3人で行って。“うわぁ、キレイ”って、うれしそうに写真を撮っていましたよ。富士山は“日本一高い山だから大好き”だとも」
今回の一連の報道を見ると大人の振る舞いをしているが、
「まだまだ子どもっぽいところもありますよ。“チョコ食べた~い”と言うので買ってきてあげました。レース前だったので“食べて大丈夫なの?”ってこちらが心配になりましたが(笑)」
競技を離れれば、やっぱり天真爛漫そのもの。無邪気な笑顔を見せる彼女に、自宅の近所でも池江の評判は上々だ。
ヘアーサロンの女性店主は
池江と家族ぐるみの付き合いがある『ヘアーサロン安曇野』の女性店主は、彼女を孫のように可愛がっている。
「本当に素直でいい子なんですよ。私みたいな老人の世間話にもきちんと耳を傾けて聞いてくれるし。病気のことをテレビで知って、彼女のおじいちゃんにメールしました。ご家族も動揺してるけど、見守るしかないって」(女性店主、以下同)
東京オリンピックのことはいいから、焦らずゆっくり治してほしい、と女性店主。
「必ずよくなるから。彼女は日本の宝。必ず戻って来てくれる。“おばさん、元気になったよ”って笑顔で店に来てくれるはず。その日を待っています」
日本国民の誰もが同じ思いだろう。