逮捕につながる出来事があったのは昨年8月下旬。被害者のA子さんと、その友人のB子さん、C子さんの3人が来店し、“コスプレをしたい”という話になった。
「衣装のサイズが大きく胸の部分が開いていたので、洗濯ばさみで後ろを留めればいいと私がアドバイスしました。当初、女の子たちだけで留めていたのですが、こうやって留めるんだよって、見本として留めてあげたんです。そのとき、衣装が少し落ちそうになったので上に持ち上げたんです。それを触ったと誤解されたんだと思います」
おかしな兆候というのはその直後、夏休みが終わり学校が始まったころに起こった。店に小学6年生がぱたっと来なくなり、小学5年の男児から“ロリコン”と言われるなど違和感を覚えたという。
駄菓子屋の客が減ったため10月で閉店することを決め、最後の営業日は10月15日。警察が逮捕状を手に自宅にやって来たのはその3日後、10月18日午前のことだった。
「母に呼ばれてパジャマ姿のままで玄関に行くと、警察官から警察手帳と捜索差し押さえ許可状と逮捕状を見せられました。そのまま日立署に連れて行かれました」
その日から計56日間にわたる勾留生活が始まった。北浦さんが振り返る。
「朝7時に起床し、すぐに洗面。布団をたたんでロッカーに入れて、7時15分から朝食。8時30分に見守り点検がありますが、取り調べ以外の時間は何もすることがありません。
本交換といって、何百冊と置いてある漫画や小説を、1日3回計9冊まで交換することができます。漫画は『監獄学園(プリズンスクール)』を読みました。留置場に何でこんな漫画が置いてあるのか、嫌がらせかと思いましたけどね。ほかには『アンネの日記』などを読みました」
もう子どもたちに関わりたくない
取り調べに当たったのは「見た目はヤクザみたいな男性刑事」だったが、
「非常に紳士的でしたね。恫喝されることはありませんでした。黙秘はせず、聞かれたことにはちゃんと答えました。報道では胸を触ったとか書かれていたようですが、警察からはそんな話は一切されませんでした。警察は“やっちゃったね”と誘導をするんですが、何を?って聞き返して。事情がわからず、むしろ私が質問するような感じでした」