─番組が好評ですね。
「なんだよ、今日はずいぶん普通の取材だな(笑)。キミ、そんな離れたところにポツンといないで、もっとこっちに来て近くで撮りなよ」
顔見知りの記者が声をかけると笑顔を見せ、離れて撮影していたカメラマンを近くに呼びよせた。
─好評なのはどんな理由だと思いますか?
「やっぱり“ポツンと”っていう言葉だと思うよ。人里離れた場所にどんな人がいるかは気になるよね。世間から逃げているイメージを持たれがちだけど、意外とみんなきちんとした理由がある。そこで暮らす人たちの人生観がすごくおもしろいんだよね」
共演する林も番組の反響にひと役買っていると話す。
「林先生は歴史的なことや、ちょっとした知識を紹介してくれるね。必ず“この子孫は●●の末裔だ”とか、“ここはこういう戦の跡があって”みたいなことを教えてくれるのが、すごくおもしろいんだよ」
─今後はどういう番組にしようと思っていますか?
「今のスタイルは変えないよ。まだ日本中に一軒家はたくさんあるからね。でも、メジャーな番組になったことで、一軒家の人たちも身構えちゃうかもね。
急に家を掃除し始めたり、冷蔵庫になにか入れたり、地元の物を用意したりするんじゃないかな(笑)。でも、そういう展開になっても、おもしろいよね」
スタジオで番組を見ていて感動することもあるという。
「山奥で暮らすおばあちゃんのところにイノシシがやってきて、そのままこたつで寝るなんて考えられないよ!(笑) 現実のおとぎ話だよね。そうだ、この記事の最後は“今後も現実のおとぎ話を期待してください”ってまとめておきなよ。そうすれば、記事を読んだ人から“君は文章力がある”って褒められるよ」
突然の取材にもかかわらず終始、笑顔で話してくれたうえにアドバイスまで。
これからも、番組で飛び出す“現実のおとぎ話”の数々 が多くの人を魅了してくれるだろう!