「3月12日、天皇陛下が皇居・宮中三殿で『期日奉告の儀』に臨まれました。
陛下は古式ゆかしい装束姿で、4月末日で退位されることを歴代天皇などがまつられている『皇霊殿』に報告されました。この儀式は、退位に関する最初の儀式で、皇太子さまや秋篠宮ご夫妻らの皇族方も参拝されました」(皇室担当記者)
約200年ぶりの生前退位まで残すところ、あと1か月と少し。次の両陛下も、着々と準備を進められている。
天皇陛下が儀式を執り行った翌日、皇太子ご夫妻は、都内のホテルで『第15回ヘルシー・ソサエティ賞』の授賞式に出席されていた。
「この賞は、教育や医療などを通じて、健全な社会や人々の生活の質向上に貢献した人々を表彰するもので、'04年に創設されました。
今年は、フィリピンの貧困層の出産支援などをボランティアで続けている助産師の冨田江里子さんら5人が受賞しています。
皇太子ご夫妻は、授賞式が終わると壇上から降りてテーブルに着き、審査員などの関係者と夕食をともにされていましたよ」(同・皇室担当記者)
“国民とともに”ある皇室にとって、とても意義のある賞なだけに、その功績をご夫妻も称えられたのだろう。
一方で、今回の授賞式に雅子さまが出席されたことに対して驚きの声をあげるのは、ある宮内庁関係者。
「この会は、授賞式に加えて関係者との祝宴がセットの行事なので、全体で2時間ほどの滞在になります。さらに、この会には約650名が参加するので、まだ療養中である雅子さまの参加は難しいのではと思っていました。
実際、前日まで皇太子殿下おひとりでのご参加と聞いていましたが、当日になって雅子さまのご出席が決定したそうで、とても驚きました」
雅子さまが『適応障害』と診断され、療養に入られてから約15年。長時間や不特定多数の人々に注目されるなど、負担の大きい公務は医師団の判断もあり、出席されないことも。
今回の行事に出席されたのは、どんな背景があったのか。
「不特定多数の人々がいる中での祝宴のご出席は、療養中の雅子さまにとって、確かに大変な状況だったと思います。
しかし『適応障害』というのは、本人にとって何が負担なのかが問題であり、その問題は人によって千差万別なのです。雅子さまにとってのストレス要因が、今回の式典にはなかったとも考えられます。
一方で、お出ましになられたこと自体、症状が改善されつつあり、困難な場面に対しても適応する能力が高まってきているという見方もできるでしょう」
そう話すのは、心理学に詳しい東京未来大学こども心理学部長の出口保行教授。
即位後に待つ重要イベント『饗宴の儀』
一部では「皇后に即位されるプレッシャーで病状が悪化しているのではないか」という声もあったというが、実際のご体調は回復傾向にあるように思える。
さらに、病状が回復されているほかにも、今回のご決断を後押しした理由があるというのは、ある東宮職関係者。
「2月24日の『在位30年記念式典』に出席された両陛下のお姿や、陛下の退位に関する儀式がいよいよ始まったことで、次の皇后としての自覚がより一層お強くなったのではないでしょうか。
『ヘルシー・ソサエティ賞』での雅子さまは、普段よりもリラックスされたご様子で、笑顔で関係者と交流されていたように思えます」