東京都杉並区では、

「例年、ゴールデンウイークの合間の日に転居や住民票取得で区役所に来る人は多い。連休が続き市民サービスに支障が出ないよう、5月1日と6日は窓口を開きます」

 と担当者。職員を増員して対応する予定だ。

 千葉県千葉市では2日午前中に限り、各区役所で窓口業務を実施する。

 改元に伴い特典を用意する市町村もある。1日に窓口を開く神奈川県愛川町では出生届、婚姻届、転入届を提出した対象者に同町産の米「愛ちゃん米(5㌔)」を配る。

 医療機関については、

「救急はもちろん、各医療機関が調整し、連休中でもどこかの病院が開いているように調整しています」(東京都医師会担当者)

 医療機関については都道府県や市町村のホームページでリストを公開している。

Q5.個人情報の書き換えは必要?

 必要なし。国民生活センターによると改元に便乗した消費者トラブルが発生しているという。

 同センターはホームページで、

《全国銀行協会等の事業者団体を装って“改元で法律が変わる”という書類を送り、口座情報や個人情報を書類に記載させ返送させたり、キャッシュカードや暗証番号を返送させたりする手口がみられます》

 と注意をうながす。

 また消費者に対し、

《事業者団体や銀行等の金融機関が暗証番号を尋ねたり、キャッシュカードを送るように指示したりすることは一切ありません。電話や訪問をされたり、書類が届いたりしても、絶対に口座情報や暗証番号等を教えたり、キャッシュカードや現金を渡したりしないでください》

 と呼びかけている。

Q5.恩赦で凶悪犯は出所するの?

「まず、ないでしょう」

 と話すのは社会学者の鈴木洋仁氏。

「恩赦があるからといって死刑囚や凶悪犯が減刑され、出所することはないので不安に思うことはありません。今回の恩赦は必要最低限にとどまることが予想されます」

 では、どのような受刑者に適用されるのだろうか。

「例えば冤罪事件で無罪が見込まれている人です。人道的な配慮から恩赦が実施され、無罪となる可能性があります。それ以外では道路交通法違反などの微罪、被害者がいない軽微犯などに限定される可能性があります」

 と説明する。理由は2つ。

 ひとつは、これまでの恩赦は崩御と新天皇即位の2段階だったが、今回は生前退位のため崩御の恩赦はないことだ。

「崩御は国にとって重大な事態。崩御の恩赦は香典返しの意味を持ち、弔慰を示すことで罪を許す、罪を見直すという意味があります。今回は新天皇のご即位の恩赦に限定されるでしょう」

 もうひとつは、

「前回の改元の際は選挙法違反者を恩赦し、当時の政権に批判が集まりました。今回はそのときのことも踏まえ、政権も批判を受けないよう、減刑で祝賀ムードに水を差さないように配慮して対象者を決めることが考えられます

 また、軽微犯の傷害や暴行事件であっても被害者感情を重視し、国民が納得できるような恩赦を実施することが見込まれるという。