世は、ナンパ戦国時代。出会いのプラットホームの増加とともに、都会を中心に男女の出会い事情はカジュアル化している。その最たる東京の週末に、ナンパ前線に立つ男性は何を考え、なぜナンパするのか。前回に引き続き、フリーライターの三九二氏があえてナンパされてみた。第2回目は生命保険の会社員、「ナンパ男子」の生態を深掘り! 

銀座・コリドー街編 

 

 前回のインストラクター男子に引き続き、都内屈指のナンパスポット『銀座・コリドー街』でナンパ男子をフィッシング。

 コリドー街が賑わうのは金曜と土曜の夜。銀座らしい落ち着いたオフィスカジュアルコーデで、繰り出すことにした。

まさにコリドー、ステレオタイプな
ハイスペ男子とマッチング

 金曜の21時、コリドー街のど真ん中。オイスターが有名なお店の前でまさに“定石”な声掛けをしてきたのは、30歳の大手外資系保険マンだ。

えっ、どうしよう。天使見つけちゃったんやけど

 と歯の浮くようなセリフで声をかけてきた男性。ストリートのナンパでは、まずは足を止めてもらう目的で、言われたことがないような褒め方を繰り出してくる男も多い。

 男性は身長が高く、ぴっしりとまとめられた前髪と、チョッキまで着込んだ100点満点のスーツ男子だった。スーツが紺のストライプで、ネクタイはブランド物。がっちりと広い肩幅も、スマートなスーツの着こなしのおかげでとてつもなく“男らしい”。ハイスペを具現化したら彼になるのだろうというような、ステレオタイプのイケイケサラリーマンと言った風貌だ

 誘いに乗ると、好きな店でいいと言うので、そのまま目の前のお店を指定したところ即入店。コリドー街でも単価高めな店なので、30歳でこの店選びはまあまあ上等だ。

出張や観光のついでに……
都外在住との出会いも増えている

 さっそくワインとオイスターを注文。全おごりとなれば、食事は楽しむ一択である。

 男性は関西弁を喋っていたため、出身地を聞くと神戸なのだそうだ。今日も出張で東京に来ていたため、観光の一環で訪れていたのだそう。

 コリドー街は最近そういった男性も多い。あまりにもナンパスポットとして有名になりすぎたため、出張や旅行のついでに行ってみたかったので来た、という東京在住ではない男性も多く歩いている。見分けがつかないので、やはり本気で恋人を探すには向かない土地だ。

「せっかく来たし、ダメ元で声かけたんよ。それでこんなかわいい子と飲めるなら、来た甲斐があったわ〜」

 あくまで“普段からナンパするわけではない”ということをさらりと主張しながら、しっかりこちらを持ち上げてくる。……やりおる。

ハイスペ男子の本拠地は港区

 男性の腕には大きな時計が輝いており、靴も美しく磨かれている。営業成績がよかったため管理職についているという男性。30歳で大手外資の管理職……それなりに稼いでいそうだ。

東京は月1くらいで出張に来るから、またいつでも飲めるよ。普段は本社が港区だから、麻布や六本木で飲むことが多いかな。

 でも、あの辺って女の子とさらっと出会うのは難しいからさ〜。夜遅くなると、有名店に“港区女子”っぽい子が現れるから、そういう子に声をかけられて飲んだことはあるよ

 確かに港区はストリートでナンパする風潮はあまりないので、店内での出会いに期待するしかない……どこまでもステレオタイプな男性だ。港区女子との一夜もこなすこともあるとなっては、自分の今夜が若干不安に。