アイドルグループHKT48の指原莉乃(26)が先ごろ、横浜スタジアムで卒業公演を行った。多くのメディアが駆けつけ報じたが、記事の中には、指原が「運営」に苦言を呈した、という方向性の記事が散見された。それは間違いではない。だが、指原の狙いは別の場所にあるのではないか。

 指原の本音を読み解いてみる。

 “苦言報道”の根拠になっているのは、指原のこんな発言である。例えば、

「HKT48の運営にみなさん、メンバーのお話を聞いてあげてください(中略)。でも間違ったことを言ってしまう場合もあると思います。そんなときは目を見て何がいけないのか分かるまで教えてあげてください。みんなでHKT48です。これからも風通しのいいHKTでいてください」

「(NGT48に)こうすることはできないのか、ああすることはできないのか(運営に)何度も声を上げたんですけど、私一人の力で動くようなものじゃないんだと、あらためて社会や会社の厳しさに気づきましたし、これから本気で変えたいんだったら、すべてを一からやり直さないといけないと思っているんで、私にできることは手伝いたいと思う」

 このようなことを、「運営批判」「運営に苦言」などと括る。

アイドルには“ファン切り”が必要

 指原にとって「運営」は身内だ。いくらでも厳しいことは言えるし、言ったところでファン離れにはつながらない。むしろ言わないほうがファン離れにつながる。

 ファンの経済力の上に成立する芸能人の暮らし。劇場公演という実演をベースにした、アイドルの活躍形を生み出したAKB48グループの場合はなおさらである。

 テレビ画面やスクリーンの向こう側を中心に活躍する芸能人に比べ、指原らは圧倒的にファンの前に立つことが多い。お金を運んできてくれるファンの大切さが痛いほど分かっている。「太客」と呼ばれるファンもいる。ファンに直接、文句を言えるわけがない。