国宝級のイケメン
演技に対するこだわりは、'18年に公開された映画『悪と仮面のルール』でも発揮されていた。監督の中村哲平氏は、吉沢が自分の理念を持っていることに感心したと語る。
「亮くんは監督にただ委ねるだけじゃなくて、自分で考えて役を構成していくんです。芸術的な感性というか、監督的な要素も持ち合わせていますね。大きく演技をするわけではなく、内側からにじみ出るもので演じるタイプ。彼の世界観がきちんとあって、周りに流されず、ブレない演技ができるんです」
ブレイクしてからも、以前とまったく変わらず情緒が落ち着いているという。
「吉沢さんは自ら“俺は顔しかカッコよくない”と話しています。普通イケメンを自称したら傲慢に見えますが、彼の場合は嫌味にならない。さらにすごいのは、芝居になると“イケメン俳優”ではなくなるところ。吉沢さんは不思議系、おバカ系、ダークな役柄など本当に幅広く演じることができるんです」(芸能プロ関係者)
昔から“国宝級イケメン”という肩書にふさわしいモテっぷりだった。
「中学に入学して3日で告白されたとか、学年の4分の1の女子から告白されたというのは伝説になっていますね。大変なモテっぷりですが、彼自身は恋愛には奥手。小学3年生から高校2年生まで好きだった女の子には自分から告白することはなく、その子は吉沢さんの親友と付き合ってしまったんだとか。その経験があったからか、今でも結婚願望はゼロだと言っています」(同・芸能プロ関係者)
ギラギラしていないところが、むしろ好感度を上げているようだ。イケメン評論家の沖直実さんは“'19年は吉沢亮の年”と断言する。
「'13年の『ぶっせん』で麗しい丸刈り姿を見てから毎年“ブレイクするイケメン”として吉沢くんの名前を出してきましたが、先に福士蒼汰くんや山崎賢人くんがブレイク。どうしても2番手のイメージが強かったんです。彼は悔しさを見せることはなかったものの、内には闘志を秘めていたと思いますね。勝手な想像ですが“自分は顔だけしかない”って話すのも、“ちゃんと演技も見てほしい”ということの裏返しだと思います」
沖さんは、最近の吉沢にある変化を感じているという。
「顔の美しさばかり取り上げられてしまいますが、もう少し年を重ねたときに演技が目立って評価されてくるんだと思います。3年前に『今後爆売れしたら、前から知ってたよって自慢できるの集めてみた!』という毎日放送系のバラエティー番組で共演したときはすごくシャイで“僕なんて全然”という控えめな印象でした。でも、最近は貪欲な感じも出てきましたね」
イケメンで演技もできて、内には静かな闘志を燃やす。演技派俳優が火花を散らす『なつぞら』で、さらに存在感を高めていきそうだ。