増税は延期という意見

 経済アナリストの森永卓郎氏は、

「8割がた延期、ほぼ延期で決まったと思います」

 と“萩生田発言”を受け止め、納得の表情。首相側近の言葉には、“増税延期に向けての布石”と、観測気球以上の意味があったと推測する。

「安倍首相や菅官房長官は、リーマン・ショック級の経済危機であれば延期と言い続けていますけれども、実は国際通貨基金(IMF)の経済見通しが、ここのところずっと下方修正されてきています。

 直近の見通しだと今年の世界経済の成長率は3・3%。リーマン・ショックの翌年から5年間の景気低迷期の世界の経済成長率も3・3%でした。つまり、世界経済はすでにリーマン・ショック級の危機になっているということです」

 としたうえで、

「まったくもって正しい。そうなるだろうし、そうしなければ日本経済は沈没するということです」

 と、増税延期を決断するであろう安倍首相を大絶賛。もし増税に踏み切れば万事休す。

「その瞬間に沈没は起きます。1997年に橋本内閣が税率を3%から5%にした後、15年間のデフレになりました」

 と、苦い経験を例に出す。

 4月上旬、米経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルは、社説で《安倍晋三首相は年内に消費税率を引き上げ、景気を悪化させると固く心に決めているように見えるのだ》と、皮肉ってみせた。