「例えば、シブがき隊の『アッパレ! フジヤマ』。<アッパレ!PARE>と<BABYフジヤマ!>を連呼し、おそらく日本一の女性であることをアピールしているのでしょう。また、野村義男が作詞作曲し、少年隊や嵐が歌い継いだ『日本よいとこ摩訶不思議』では、<コマにゴム飛び かくれんぼ><大きな桃かと思ったら、小さな小さな一寸法師>といった、ド直球の日本調。ジャニーズが得意とするトンチキワールドが全開です。

 忍者の『君に御中(WANT YOU)』なんて、タイトルの時点で相当キてます(笑)。歌詞にも<花鳥風月サクラ・フジヤマ>とか出てきますしね。郷さんの新曲をこれらと並べても、違和感ない気がします

 説明するまでもないが、郷ひろみはかつてはジャニーズのタレントだった。ある芸能記者が言う。

「ジャニーズ時代にも、『男の子女の子』や『花とみつばち』といった、不思議な曲をたくさん歌ってましたからね。郷さんが今の新曲や『2億4千万の瞳』など、ほかの人にはなかなか歌いこなせないような曲を歌い続けられるのは、若いころ、ジャニーズ時代に培ったものがあるからかもしれないですね」

 今、このタイミングで『JAN JAN JAPANESE』という、「日本」を前面に出した曲をリリースする意味もまたありそうだ。

「平成から令和への改元もあり、来年はオリンピックで世界中の注目も集まります。日本というアイデンティティーを、見つめ直す時期としてはバッチリのタイミング。数年前に椎名林檎が『NIPPON』という日本アゲアゲ曲でヒットしましたが、今後もしばらくは、このような日本の魅力を打ち出す曲が増えていくのではないでしょうか」(同)

 ということは、トンチキの王道をいくジャニーズが、満を持してどのような楽曲を打ち出してくるのか。勝手に本命視して、期待がふくらんでいく。

<取材・文/渋谷恭太郎>