Q5.矢印信号が直進のときは右折できないの?
「できません」(鳥塚さん)
対向車がおらず、後続車があとに続いて焦っていても、右折の矢印信号が出るのを待とう。
Q6.夜間、信号停止で先頭車両になった場合、ライトを消すべき?
「つけたままでかまいません」(鳥塚さん)
再点灯を忘れないためにも、つけたままが安心。
2016年度の交通の方法に関する教則によると、夜間に道路横断中の歩行者をはねた市街地以外の事故164件のうち、ハイビームをつけていた車は1件だけだったという。夜間の事故を防ぐとしてハイビームの活用をすすめている。
また、国内の各自動車メーカーにオートライトの普及も義務づけている。
とはいうものの、後続車にハイビームをされるとまぶしくて困る人も。鳥塚さんは、
「すぐ前を別の車が走っているならハイビームする必要はないですね。ただし、暗い道路で前車や対向車がいないときには、積極的にハイビームを使うべきです」
Q7.サンダルやハイヒールで運転するのはいけないの?
道路交通法では規定は特に設けていないようだけど。
「操作がしづらいので基本的にはやめてほしいですね。この項目は県ごとの条例で定められているので都道府県によっては違反になることもあります」(鳥塚さん)
Q8.交通死亡事故を起こしたら、どれくらいの賠償金が必要なの?
「いろいろな計算方法がある」としたうえで教えてくれたのはアディーレ法律事務所の村松優子弁護士。
「賠償金にはさまざまな項目があり、その中でも金額が大きいものとして慰謝料と逸失利益というのがあります。亡くなった場合の慰謝料は相場として1人2000万円から2800万円とされています。逸失利益というのは、事故が原因で将来の収入を得られなくなったために失われた利益のことで、一般的には67歳まで働くことができるとして計算されます。
例えば専業主婦は無職とされますが、家事も立派な労働力であるとして1日あたり1万円ちょっとの金銭価値があるとされています。亡くなったのが30歳だとすると、約4500万円の逸失利益になります。30歳主婦を被害者だとして計算すると、慰謝料と逸失利益だけで約7000万円前後の金額を支払うことになる可能性が高いです」
では被害者が幼児の場合いくらくらいの賠償金になる?
「被害者が幼い場合、将来どれくらいの収入を得るのか予測が困難ですので、平均賃金を基に算出し、3歳児の場合2500万円前後が逸失利益の相場となっています」
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「車は便利なものですが、一歩間違えば凶器になり、人を殺してしまうおそれがあるもの」
17日、池袋の暴走事故で妻と娘を失った男性が会見し、沈痛な思いを明かした。
「人を殺してしまってからでは取り返しはつきません。ハンドルを握るときは、どうか連日の事故の被害者のような方々を生まないよう常に注意して、優しく気遣いのある運転を心がけてほしいと願っています」
交通事故のない社会は、ひとりひとりの意識ひとつでつくられるもの。
車に乗る前には心にとどめておきたい。