「フェスでキメない人なんているの?」
そう問いかけてくるのは音楽フェス通いの“パリピ”だという男性のAさん。ここでいうフェスとは野外で開催され、複数のアーティストが参加する大規模なコンサートのことだ。
「音楽フェスって楽園なんですよ。野菜食って(大麻を吸って)、ライブに行くとなんかもう4Dの世界にいるみたい。音が身体に迫ってくるというか。アーティスト本人がやらないわけないでしょう」
あくまでAさんの持論にすぎないが、実際に多くのアーティストが過去に大麻取締法違反の容疑で逮捕されている。ここ10年だけを見ても、田口容疑者と過去に同じグループだった田中聖('17年)やBIGBANGのTOP('17年)とG-DRAGON('11年)、ヒルクライムのDJ KATSU('17年)など。
海外ではジャスティン・ビーバー、マドンナ、リアーナ、ジョン・メイヤーなどが大麻愛好家と自ら公言している。
「大麻は、覚せい剤と違ってファッションのような感覚で使われることが多い。現にジャスティンもマドンナも人気が落ちないどころか、よりカリスマ性を高めています」(音楽ライター)
アメリカでは一部合法化されている州もあり、彼らから後ろめたさは感じられない。
日本ダルク本部ディレクターの三浦陽二は、自身も大麻を過去に使用。アーティストがハマりやすい理由として、
「食欲増進やリラックス効果、また音がよく聞こえるようになりひとつひとつの音がリアルに体感できるからではないか」と明かしてくれた。
過去に大麻使用で逮捕されたミュージシャンを取材した全国紙社会部記者は、
「ライブなどであがりきったテンションは落とすのが大変で、クールダウンのために大麻を使用するしかない、と話していたのが印象的です」
改めて恐ろしさを感じたという。前出の三浦さんは、
「リラックスとして多幸感を味わうために使用したら、あとには気持ちが落ちるときが必ず来ます。薬物を使用していると自分には限界がないように思えますが逆です。薬物が限界を作っているんです」
と警鐘を鳴らす。
「田口容疑者の場合は小嶺容疑者とカップルドラッグ、つまり性行為に使っていたのでは。ほかのアーティストのように音をリアルに感じたい、ライブ後の身体を静めたい理由から使用していたわけではないと思います」(前出・全国紙社会部記者)