山口達矢さん(16)は父の仕事に伴い、小6から中2までをイギリスで過ごした帰国子女。インドやオーストラリアなど外国籍の生徒も通う、国際色豊かな校風が気に入っている。
“自分で考える力”が育まれる環境
「ここでは、先生は基礎しか教えてくれません。自分で調べて考えさせる。例えば『日本語A』という授業では(芥川龍之介の小説)『羅生門』について“(作中に登場する)下人は老婆の着物を剥ぎ取ったあと、どこへ行ったのか?”という課題が出されました。こういうやり方に最初は戸惑いましたけど、考える力がついたと思います」
と山口さん。将来は海外の大学で、AIやプログラミングを学びたいと話す。
同じくIBコースのクーパー・シエラさん(16)はオーストラリアのシドニー生まれ。小学3年から家族と日本で暮らしている。
「この学校へ来て、テストで高い点をとるだけじゃ世の中、渡っていけないなって思いましたね。みんな、なにかしら勉強以外にも長けているものがある。海外で働くとなると、専門的な知識を英語で習得できるようにしておいたほうがいい。職業選択の幅も広がると思います」
今後は専門的な留学カウンセラーを招き、相談をしながら進学準備を進めていくという。
前出・ドゥラゴ先生が期待を込めて言う。
「IBの資格を持っていれば、選択肢の幅がグッと広がる。認定校を卒業した生徒の中には、日本の大学を出たあとに海外へ出たり、やるべきことを見いだして起業したりする人も多い。世界に目を向け、多様性を理解しながら、自分の進みたい方向に進んでいけるようになってほしいですね」