ロシアとの交流もさかん

学祭のロシアまつりでは、冬の象徴であるわら人形を燃やし、春到来の喜びを表す
学祭のロシアまつりでは、冬の象徴であるわら人形を燃やし、春到来の喜びを表す
【写真】学祭のロシアまつりでわら人形を燃やす生徒たちほか

 ロシア語名で「ゲーナ」の名を持つ1年生の中澤純さんは、東京都出身。幼少時代からピアノを習っており、ロシアの作曲家の音楽に興味があったことから同校へ進学した。

「少人数クラスで、ロシア人の先生も日本語でサポートしながら授業してくれるので置き去りにされることはありません。今後はボランティアやイベント参加を通じてロシア人とコミュニケーションをとっていきたい」(中澤さん)

 3年生の「ナージャ」こと竹内のぞみさんは、京都府出身。勉強の傍らロシアのポップスを歌うサークル「コール八幡坂」と、ピロシキを研究する「ピロシキ八幡坂」をかけ持ちするなど、多忙な日々を送る。

「ウラジオストク本学への留学のほかインターンシップなどでもロシアを訪れる機会が。ロシアからの留学生との交流も盛んで、ロシアに対する理解を深められます」(竹内さん)

 学生はほとんどが道外出身者。卒業後はロシア関係の物流会社や船舶代理店、商社、ホテル、観光などへの就職のほか、ロシア国内で日本語教師になる人や海外大学へ進学する人もいる。

3年生の竹内さん。昨年のロシア語弁論大会で1位を獲得するほどロシア語に精通する
3年生の竹内さん。昨年のロシア語弁論大会で1位を獲得するほどロシア語に精通する

 校長はロシア人のイリイン・セルゲイ先生。同校の生徒たちには、ロシアと日本の懸け橋になってほしいと話す。

「ロシアのエキスパートを育成することはもちろん、函館市民のみなさまにもロシアに対する理解を深めてもらいたい。そのために、学祭『ロシアまつり』で来場者に食や音楽を提供したり、社会人を対象に文化講座を開くなどの活動も積極的に行っています。文化や考え方を知ってもらい、日本とロシアが、精神的、文化的にも近づいていけたら。ロシアを好きになってもらえたらうれしいです」