事件前夜の「死にたい!」

 周辺住民には一家はどのように映っていたのか。

 近隣に住む70代の女性は、

「奥さん(美佳容疑者)は中国出身で、セミロングの髪にぽっちゃりした体形でしたよ。憲一さんは背が低くて細身。2人とも会えば挨拶してくれるいい方でした」

 と夫婦の印象を話す。

 近隣の40代の女性は、

「奥さんが中国語で子どもを怒鳴る声がよく聞こえてきました。鹿児島から上京してきた憲一さんの母親が“孫が、お母さんが怖いと話している”と言っていました」

 と話し、数年前にはこんなトラブルがあったと続ける。

「5~6年前に美佳さんが包丁で憲一さんを刺したことがありました。憲一さんが腕を押さえ、自力で救急車に乗り込んだ姿を覚えています。幸い大したケガではなく、刑事罰も受けなかったはず。ほかにも憲一さんが車に乗って近所で物損事故を起こしたことがありました。美佳さんは心配もせず“何やってるの!”と憲一さんをひっぱたいていました。気性の荒い人でしたね」

 激しい一面があった美佳容疑者だが、近所の評判は悪くない。ただ、事件直前の様子はいつもと違っていた。

 近隣に住む別の住民が話す。

「事件前日の28日に家の近くで“死にたい!”と騒いで、警察が来ていました。26日にも次男の少年野球の応援に行く予定だったようですが、ママ友に公衆電話から電話をかけて“死にたい”と話していたそうです」

 2人の息子はいま何を思うのか。公園には、にこやかに遊ぶ母子の姿はもうない。