衣服・靴代のトップは徳島!
お次は、家計の具体的な支出に注目。気になるのは、大都市・東京、神奈川をおさえた徳島の、衣服・靴代のダントツトップである。
この圧倒的な金額はどういうことか尋ねると、矢野さんは「阿波踊りのためです」と一発解説!
このデータには和服なども含まれていて、特に女性の衣服・靴代がずぬけて高いのだ。
聞けば、徳島では1年のほとんどを阿波踊りの練習に費やすほどの大切な行事。子どものころからおばあちゃんになるまで、その習慣が続くそう。
晴れ舞台のためには散財もやむなしと、太っ腹なのだ。気っ風がいいね!
「阿波踊りの衣類だけでなく小さなころからお化粧をする習慣もついている。自然と『女らしさ』への意識が高くなって、ふだんからおしゃれな衣服も購入するようになったのでは」(矢野さん、以下同)
そのためか、化粧品の購入費用でも全国2位だ。また徳島は美人の産地としても有名。
江戸時代には“徳島商人”と呼ばれた徳島の男たちが全国を飛び回り、各地から美女を妻として連れ帰ってきたので美人が多いそう。
「そうした“徳島美人”としての装いが現在も継承されている側面もあるのでしょう」
ちなみに徳島美人をおさえての化粧品代1位は広島県。
個々のデータ数値のバラツキが少なく、西日本の新商品マーケティングのメッカとなっているのが広島だ。出身者によれば、広島女子は新し物好きで好奇心旺盛。
限定カラーや新色、個数限定にはついつい飛びついてしまうそうなので、この順位も自然な結果なのかもしれない。
(※)この特集の消費量、店舗数、金額などは原則として人口(世帯)比です
《PROFILE》
矢野新一さん ●(株)ナンバーワン戦略研究所所長。神奈川県出身。マーケティング販売戦略指導者。“県民性博士”として著書多数。県民性スマホアプリの解説も担う
久保哲朗さん ●統計ジャーナリスト。佐賀県出身。人口あたり統計で比較する都道府県ランキングサイトの草分け的存在。著書に『47都道府県の偏差値 』(小学館)など