――その決意通り、白百合学園幼稚園を受験されたと?
「はい、たまたま大学の同級生の結婚式二次会で、白百合小学校からの卒業生でも幼稚園には入れなかったという話を聞いていたので、大学生活での嫌な思い出を払拭するかのごとく、娘を1歳から『伸芽会』に入会させ、白百合学園幼稚園受験を目指しました。しかし残念ながら、3年保育、2年保育ともにご縁はいただけず、小学校受験が最後の挑戦となりました」
――白百合学園小学校以外では、どのようなところを受験されましたか?
「滑り止めとして、白百合学園の姉妹校とも言われ、白百合女子大に指定校推薦がある、ヨゼフ学園を併願しました。教育方針も似ているので願書も面接も対策しやすかったです。ちなみに、聖心女子学院は受けていません、母親が白百合女子大卒ということもあって、そこには違和感がありました」
――白百合学園小学校の受験はいかがでしたか?
「白百合卒業生の多くは、校長先生の面接室に呼ばれると聞きますが、私どもは残念ながら違う面接室に割り振られました。
たまたま面接の先生が男性教員でしたので、家族でハワイ・ホノルルマラソンの10キロランに挑戦した話など、あえて白百合の“お嬢様”というイメージとは異なる、娘の活発な部分を推して面接に挑みました。卒業生とは違う新鮮な空気も学校側は取り入れたいだろうなと思い、実際、先生と盛り上がることができました。
ペーパー(筆記試験)、個別試験対策、運動、行動観察は大手幼児教室の白百合クラスでしっかり仕上げていただいており、願書と面接で失敗がなければ、模試でも合格圏内に入っておりましたので、大きな失敗もなく面接が終了した時点で少し気持ちに余裕を持って考査を迎えることができました。
考査自体は約4時間と長い待ち時間があり、保護者は学内の講堂で待機しています。私は本一冊のみ持参しましたが、ウワサ通り編み物や刺繍をして待っているお母様もいらっしゃいました。
娘の受験した年は、女子御三家(聖心・白百合・雙葉)の人気が分散したと言われる年であり、また人気共学校(慶應幼稚舎・早稲田実業)の女子のスタートが11月1日となった年であったことも功を奏し、例年より倍率が低かったんです。
そのため講堂で待機されている保護者は150人程度、定員60人と補欠20人ほどと考えると可能性はあると感じました。
無事に合格通知を受け取った11月3日は、大学時代から約15年に渡る私の呪縛が解け、すべての戦いが終わったと感じる瞬間でした」