「実は、加藤浩次さんが望んでいた“専属エージェント契約書”はすでに完成していて、本人も内容を確認し、納得しているそうです。あとは加藤さんがサインするだけと聞いていましたので、ここ数日の間で契約が結ばれている可能性もあります。

 このエージェント契約は、あくまで“業務委託”のようなもので、『吉本興業』以外からの仕事も自由に受けることが可能になり、個人で受けた仕事のマネージメントは芸人自らが行うものだそうです」(芸能プロ関係者)

“専属”契約の意味

 改めて、吉本騒動の流れを振り返ってみる。

 6月7日発売の『フライデー』が報じた反社会的組織への“闇営業”をキッカケに勃発した“お家騒動”。

「『雨上がり決死隊』の宮迫博之さんや『ロンドンブーツ1号2号』の田村亮さんを含む吉本に所属する芸人たちが、詐欺グループの忘年会に出席してお金を受け取っていたことが報じられ、6月24日に謹慎処分を受けたのです」(スポーツ紙記者)

 7月19日に吉本が宮迫とのマネージメント契約の解消を発表したところ、翌日の20日、宮迫と亮が2人で“涙の記者会見”を行った。

 7月22日の朝、加藤がMCを務める『スッキリ』(日本テレビ系)で「体制が変わらないなら僕は吉本を辞める」と怒りをにじませながら発言するも、同日に行われた岡本昭彦社長は、5時間半にわたる記者会見を行い、発表したばかりだった宮迫の処分を撤回。

 7月23日には、加藤が吉本の大崎洋会長と直接、話し合いまで行っていた。

「この日は平行線でしたが、8月にはコンプライアンス体制の強化を図る『経営アドバイザリー委員会』が開かれました。さらに、吉本に所属する全芸人に“反社会的勢力との関係を断絶します”“あらゆる権利を尊重し、マネージメントを行います”などの項目を明記した『共同確認書』を順次交わしていくことが明らかになったのです」(同・スポーツ紙記者)

 吉本興業が次々と騒動への対策を打つ中、加藤は8月9日放送の『スッキリ』で、先日の“激怒発言”とは一転、「エージェント契約をして、吉本に残る」と発表。

 そもそも、エージェント契約とはどんな契約なのか。

『弁護士法人・響』の坂口香澄弁護士に話を聞いた。

エージェントとは、一般的に代理人のことであり、主な仕事は、クライアントのために仕事を獲得してくることです。スポーツ選手であれば、所属チームの選定や、年俸などの報酬に関する交渉などを行います。一方のマネージメント契約は、仕事の獲得はもちろんのこと、スケジュール管理や取引先との対応、タレントのプロデュースまでを行う契約になる場合が多いです

 さらに今回、加藤が吉本に求めたとされる“専属”エージェント契約に関して、坂口弁護士は次のように続ける。

“専属”という言葉から、吉本興業以外のエージェントからは仕事の仲介を受けられない内容になっているのではないかと推測します。エージェントとは、クライアントであるタレントが自由に仕事を取捨選択できるところがメリットです。

 しかし、専属になってしまうと、ほかのエージェントからは仕事の仲介を受けられないため、結局は吉本興業に依存せざるをえない状況になってしまう可能性はあります。ただ一方で、マネージメント契約では許されない“本人が自ら仕事を獲得する”ことは可能なので、以前よりも自由に仕事を受けることができると思います