僕、言葉で語るのをやめたんです。映画を作るのも写真を撮るのも、YouTubeもそうですけど、言葉以外のものでいろんな人の心に何か届けられたらと思っていて。それを今、いろんな角度から試みているところです

 役者、斎藤工の活躍が止まらない。ときに「齊藤工」名義で映画監督、写真家として活動し、さらに去年は芸人に扮してR-1ぐらんぷりに出場。

 最近ではindeedのCMキャラクターになりきった『たくちゃんねる』を開設し、まさかのYouTuberデビューも果たした。

自分に寒気がした

変にクリエイターぶって気取りながらモノを作るのがいちばん嫌だったんです。1度、おしゃれな取材を受けたことがあって。

 カッコいい帽子をかぶり、服を着て、それでインタビューを受けて。でもその瞬間、“ちょっと待てよ”と。このままだと勘違いしていくなと、自分に寒気がしたんです

 これまでの歩みを登山にたとえながら、こう続ける。

バラエティーで身体を張ったり、そういったことが大きな学びをくれて。そんな経験をしながらここまで登ってきたという自負がある

 そんな僕が急に“これからはおしゃれに生きていきます”とはなれなくて。本当は僕だって恥ずかしいことはしたくないし、寄り道もしたくない(笑)。

 でも、どこか自分で人体実験しているようなところがあって、もうひとりの自分に“今のお前がここにいたら面白いんじゃない?”ってコントロールされている感じがあるんです」

 “見ている人に届くのであれば、アプローチの手段は選ばない”と、あらゆる仕事に挑戦し続ける姿勢を崩さない。