そう力説する岸の歌声を誰よりも愛し、評価しているのは吉沢だ。ある取材で《洋佑は歌が本当にうまくて。今まで生で聴いた歌声の中で一番だと思う。なんか渋くて、エロいんだよね。あれは惚れる》と絶賛していた。
「お互いにリスペクトする部分が違うから、すごくいいんだと思います。彼が僕の音楽に対する面にそう思ってくれているように、僕は、彼の芝居に対するプロセスを横でずっと見てきて、思いが相当なものだと知っていますから」
出会ったころからまったく変わらないからこそ、芸能界で唯一と言っていいほどの関係でいられるのだと思うと語る。岸が音楽の道を極めようと決心したのは、吉沢がいたから。
「高校生のときに初めて同じクラスになって、亮が颯爽(さっそう)と教室に入ってきたんです。その瞬間、ドラマのスローモーションみたいになって。“なにこのきれいな顔、これが芸能界か”と思いました。それまでは、自分のことをカッコいいと思っていたんですけど、芸能界で1位になるのって、こういう人なんだと思いましたね。
すぐに彼のところに行って“君のおかげで本気で音楽で頑張ろうと思った、岸洋佑です”って挨拶してました(笑)。亮も音楽に興味があって、そのまま一緒にカラオケに行って。今でも、ふたりでカラオケで歌いまくりますよ。彼のボイトレはずっと僕がやっているんです。亮って歌がうまいんですよ」
片寄涼太と“同期”
岸が芸能界に足を踏み入れたきっかけは、16歳のときに応募した日本テレビ系のオーディション番組。翌年には三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのボーカルを選ぶ『EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 〜夢を持った若者達へ〜』に挑戦すると、約3万人の応募者の中からファイナリストの10名に選ばれた。
残念ながらグランプリをつかむことはできなかったが、デビューを目指すボーイズグループのメンバーのひとりに選ばれる。当時、ともに夢を追ったGENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太とは今も連絡をとり合う仲で、先日は同じくメンバーの小森隼人のラジオに出演した。