「歴史を作りましょう」という言葉の真意
昨年、黒羽麻璃央は“刀剣男子”としてパリの舞台に立った。
ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞2018 巴里~と銘打ったその公演の、密着ドキュメント番組『シブヤノオトPresents ミュージカル『刀剣乱舞』 -2.5次元から世界へ-』(NHK)はエポックメーキングだったと言えるだろう。
幕が上がる直前、ステージ袖で彼が刀剣男子たちにかけた言葉は象徴的だ。
「歴史を作りましょう」
「頑張ろう」でも「楽しもう」でもなく、「歴史を作ろう」と彼は言った。役者・黒羽麻璃央をはるかに超える視点で、『刀剣乱舞』というプロジェクトを俯瞰していたかのように。いや、そんなプロジェクトを三日月宗近として任された自分が目指すべき着地点を、彼は見据えていたのだろう。
それは“うまく”演じることでもない。日本代表として気負うことでもない。真っ白な世界に“はじめの一歩”を刻むこと。
そして──。
自分が求めているもの。 経験を積み重ねた先にあるものの、本当の正体。 図らずも、彼はその答えを口にしたのではないか。
黒羽麻璃央の歴史はこれからも続いていく。穏やかで透き通った微笑みの中に、ほんのわずかな熱を垣間見せながら。
阿雅佐●占星術研究家・心理ナビゲーター。西洋占星術、血液型占い、タロットカードなど、古今東西の占いに精通。『CanCam』『PASH!』『anan』『JUNON』ほか年間100本以上の雑誌記事・Webコンテンツを執筆する恋占いのエキスパート。今までに鑑定した人数はのべ1万人に及ぶ。『スッキリ』『アッコにおまかせ!』ほか、テレビ出演多数。『おそ松さん占い』(主婦と生活社)ほか、約40冊の著書があり、小説『魔女たちの占いゲーム』(イースト・プレス)、『モデル マジック』(学研教育出版)を上梓(じょうし)するなど、作家としても活動している。
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