こうした多頭飼育崩壊を防ぐため、名古屋市は多頭飼育の『届出制度』の導入を現在、検討している。一方、寄付金を活用して、譲渡会が頻繁に行われるようになった。
「今年の8月には、『殺処分ゼロ』を目指して全長11メートルのトレーラーハウスを使って8日間、市内各地で猫の譲渡会を開催。これは名古屋初の試みです」
これにより75匹の猫の譲渡先が決まったという。
さらに飼い主のいない地域猫のふん尿問題の解決や、新たに子猫が増えないよう不妊手術を施すなどのボランティア活動を支援する『なごやかキャット推進事業』を積極的に進めている。
「譲渡会と地域猫の取り組みの両輪で『殺処分ゼロ』を目指していきたいですね」
猫の譲渡会に密着!
譲渡会が頻繁に行われている名古屋市。猫に関しては(今年)譲渡会が12回行われ来場者は約2500名。そのうち、譲渡希望の申し出があった猫はなんと167匹にも及んだ。
そこで週刊女性取材班は、実際に動物愛護センターで行われた8つのボランティア団体が参加する譲渡会に潜入。名古屋市の譲渡会事情に迫った。
「もし気に入った猫がいたらまず『里親お申し込みアンケート』に記入。1週間から10日のトライアル期間を経て里親になっていただくという流れです」(譲渡ボランティア)
しかし、いざ里親を希望する家を訪問してみると、家族構成がアンケートと違ったり、家がゴミ屋敷でとても猫を預けられる状態ではなく、あえなく帰ってきたケースもあるという。
「人気はやはり子猫。人間がミルクをあげて育てた子はとても人懐っこい。子猫どうしで遊んでくれるので2匹同時に飼うこともおすすめです」(譲渡ボランティア)
会場を見回すと、熱心にケージをのぞき込み、猫じゃらしで戯れる愛猫家たちの姿が……。
留学から帰ってきたばかりでひとり暮らしの20代女性は、猫が大好きでペットとの暮らしを夢見て、さっそくトライアルに挑戦。決め手は?
「おとなしく飼いやすそうなところ。仕事で家を空けることが多いので」
次にトライアルに挑むのは、前飼っていた猫を2年前に看取った4人家族。
「もう“猫切れ”で、寂しくて寂しくて」
と話すお母さんのひざの上では、すでに子猫がのどを鳴らし手をなめている。もうこれは、たまらニャい!?