木村さんから見た城田優さんはどんな存在なのか。
「最初の印象はめちゃくちゃデカいなって(笑)。僕も180あるのでなかなか自分が見上げる身長の人はいないので。人柄は、すごく気さくに話してくださいますし優しい方だと思います。演出家としてもどっしり構えているので、ついていこうと思わせてくれる方です。
この作品に携わらせていただくことが決まって、城田さんに歌を聴いてもらったときに、今回の歌のテーマはちゃんと気持ちがのる歌、セリフのように歌って歌い上げる必要は一切ないと言われたので、それは今回の課題ですね。だからこそ、前のめりになってもらえる歌い方をしなければいけないと思うので」
うまく歌うことだけがすべてではない
今年は『ロミオ&ジュリエット』のベンヴォーリオ役、『エリザベート』の皇太子ルドルフ役と、大作ミュージカルへの出演が続き、ミュージカル界でも期待の若手俳優として注目される存在となっている。その面白さも難しさも感じる日々。
「数分間で心の動きがいくつも表現されている歌は、自分がちゃんと理解しながら歌わないとお客さんには全然伝わらないので難しいです。ひと言のセリフでも、受け取る人によって意味合いや感じ方が違ったりするのと同じように、歌も感じ方がいろいろある歌い方をするほうが魅力的なのかなとも考えたりしますし。
うまく歌うことだけがすべてではないし、そのときどきのテンションで歌い方が変わったりしても、歌は心を動かすなって。グランドミュージカルに何回か出させていただいて、つくづく感じていることですね」
舞台上で感激した体験もあったそうで。
「今作にもクリスティーヌ役で出演される愛希れいかさんが、『エリザベート』のルドルフとエリザベートの親子のシーンのとき、舞台上で感極まりそうになってしまったというのを聞いて、“ああ、僕、共演する役者さんの心もしっかり動かすことができているんだ” と思って感激しました」