世の中には「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」だけでなく、「ヤバい男=ヤバ男(ヤバダン)」も存在する。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバ男」を分析していきます。

 

第2回 立川志らく

 落語家・立川志らくがMCを務める新番組『グッとラック!』(TBS系)の視聴率がよろしくないようです。スポーツ報知は、10月9日の同番組一部の平均視聴率が1.9%だったと報じています。制作側は頭を抱えているのではないでしょうか。

 これは志らくのせいというよりも、オファーをかけた側の問題な気がします。志らくは『ひるおび!』(TBS系)で炎上を恐れぬコメンテーターとして名をはせます。コメンテーターであれば、炎上は番組や本人にとって無料の宣伝となるので、おいしい面もあるかもしれません。しかし、中立であるべき司会者が炎上を招いていたのでは、番組として成り立たないでしょう。しかし、炎上させずに無難にやれば、志らくの個性が死んでしまう。志らくは矛盾にさいなまれているかもしれません。

 志らくの発言をどう受け止めるかは人それぞれでしょうし、初の司会ですから、これから志らく流の司会スタイルができあがることでしょう。

 しかし、それを差し引いても、志らくが『グッとラック!』のメインターゲットであろう主婦層に受け入れられるとは私は思いません。

 2019年7月に『週刊文春デジタル』が「好きなアナウンサー」「嫌いなアナウンサー」のアンケート結果を発表しました。「嫌いなアナウンサー」の男性部門TOP3は

1位:宮根誠司
2位:古舘伊知郎
3位:羽鳥慎一

 という結果が出ています。ただ、羽鳥アナの場合、好きなアナウンサー部門でも2位に輝いています。「好き」も「嫌い」も獲得できるのが真の人気者と考えた場合、羽鳥アナウンサーは評価されていると見ることもできるでしょう。となると宮根&古舘のような中高年男性、つまりオジサンが上位にきていることに気づきます。

 オジサンというと、中年男性の呼称で使われることが多いものですが、性質を表すときに使われることもあります。オジサンになるのは生理現象ですからOK、けれど、性質としてのオジサンはヤバい意味を伴うことが多いと言えるでしょう。