高級ホテルでの会食が5000円!?
問題発覚当初、首相は国会答弁で「各界において功績・功労のあった方を各省庁からの意見などを踏まえ幅広く招待している。私は招待者の取りまとめなどには関与していない」と説明。後援会関係者の参加について「地元には自治会やPTAなどの役員をしている方々もいるので後援会と重複することもある」と逃げをはかった。
ところが、批判はむしろ強まった。逃げ切れないと観念したのか、一転、長年の慣例で首相や官房長官、与党などに招待者の推薦依頼を行っていたことを認め、来年の同会の中止を発表。15日には記者団に対し、「年数を経るごとに(招待者が)だんだん多くなった。そのことは反省しなければならない」と話すなど防戦一方の情勢だ。
問題はそれだけではない。
前出の田村議員が言う。
「国会質問で安倍首相が最も動揺したのは、後援会主催の『前夜祭』に触れたこと。当然、後援会の政治資金収支報告書に記載がなければおかしいんですが、どこにも出てこないんですよ。そもそもツアーを組んじゃダメでしょ」
安倍首相の地元事務所は後援会員に向け、同会参加と複数の観光プランから選ぶツアー案内を送っている。費用は参加者が旅行会社に直接振り込み、移動はチャーターした観光バス。別料金で首相夫妻が出席する「前夜祭」にも参加できるという内容だ。
実際に今年の同会前夜、首相夫妻は東京・紀尾井町のホテルニューオータニで、前乗りした後援会関係者ら約850人と豪華なパーティーを楽しんだ。シャンソン歌手の歌を堪能し、寿司を食べて会費は5000円。本当にこの値段でおさまるのか信じがたいが、首相の説明によると、会費は安倍事務所職員が受付で代理徴収したものの、そのままホテルに手渡しているので政治資金収支報告書の記載義務はないという。
政治とカネの問題に詳しい日本大学の岩井奉信教授(政治学)は、
「ちょっと納得いかないでしょうが、事務所にお金の出入りがなければ記載義務は発生しません。
問題は、かなり安い会費。事務所が足りない分を補てんしていれば公職選挙法の寄付違反になる。
ホテル側が値引きしたのであれば、値引いた分を事務所に献金したと取られる可能性もあるグレーゾーンです」
と説明する。
同教授は「ある意味、うまいやり方」と指摘し、法律の抜け道をつくりかねないため、活動報告する仕組みづくりが必要ではないかという。
いずれにせよ、私たちが生活費を切り詰めて納めている税金が、安倍首相の後援会関係者のお花見のために使われるのは許せない。
内閣府は今年の招待者名簿を廃棄したとしており、“首相枠”とされる約800人の功績・功労ははっきりしないまま。
しかし、ネット社会のいま、今年に限らず複数の参加者がブログやツイッターなどのSNSで同会に参加した感想などを写真つきで述べており、その中には、アッキーこと昭恵夫人の“お友達”とみられる人もちらほら。