9月に東京都内で行われたMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)。ラストの壮絶な競り合いの末、見事優勝。2020年東京五輪の男子マラソン代表、中村匠吾(富士通)が千葉市内で練習を公開した。

「MGCの後は約4週間、完全なオフを取り、精神的な疲労(回復)と身体のメンテナンスという意味でしっかり休みました

どういう状況になっても、100%の力を!

 三重の実家でも過ごし、10月半ばから練習を再開するも、マラソンの開催地は東京から札幌へ。揺れに揺れた。

複雑な心境はあるんですけど、しっかり気持ちを切り替えてやっていくだけです

 東京だったら、MGCとほぼ同じコースだったわけだが、

「確かにアドバンテージという意味ではあったのかもしれませんが、MGCのコースも当日に初めて走っているので。基本的にやることは、東京でも札幌でも変わらない。しっかりそのコースの特徴を加味して、準備していくだけです

 暑さに強いことが、中村の大きな持ち味。

札幌も8月は気温が上がれば暑いだろうし。東京であろうが札幌であろうが、当日の気候は予想できない

 気温が上がってくれたほうが自分にはプラスかもしれませんが、気象条件、レース展開など、どういう状況になっても100%の力を発揮できるよう準備することが、いちばん大切だと思っています

 取材時間の20分で、“準備”という言葉を実に14回も口にした中村。見据えているのは、もちろん盛夏の表彰台だ