あなたに幸せをもたらす神様物語
神社に祀られている神様の多くは、神話の世界から登場しました。崇徳天皇や徳川家康、豊臣秀吉など、もともとは人間だった神様もいます。ウサギや白蛇もご祭神になりました。神様たちの物語を知れば、神様がより身近に感じられるでしょう。
【神話出身の神様】
日本最古の歴史書『古事記』や『日本書紀』には、何もない世界に天地が創られ、神々が登場する様子が語られています。イザナギとイザナミは日本を作った神様で、地上で多くの神様を生み出しました。イザナギとイザナミを祀った神社は、恋愛成就の筑波山神社や今戸神社。
スサノオとクシナダヒメも縁結び、夫婦円満の神様で、津島神社や川越氷川神社。オオクニヌシを祀った出雲大社や氣田大社も縁結びの神社。そのオオクニヌシと海辺で出会ったスクナヒコナは無病息災の神様で、少彦名神社や五條天神社に祀られています。
【もとは人間だった神様】
受験の神様として知られる菅原道真公は天神様としてよく知られていますよね。平安時代の陰陽師の安倍晴明は、京都の安倍晴明神社に祀られています。
江戸幕府を開いた徳川家康は、東照大権現という名で、世界遺産の日光東照宮のほか、全国の東照宮に祀られています。
その、もと人間の神様たちの中から、この記事中では、さまざまな悲運にあいながらもすべてを断ち切った崇徳天皇をお祀りした縁切りの安井金比羅宮と、戦国武将で大出世を遂げた豊臣秀吉を祀った出世運の豊国神社を紹介しています。
【ご神木で神様とつながる】
悠久のときを超えて生き続けるご神木。中でも樹齢2000年ともいわれる來宮神社の大楠は、幹まわりが約24メートルあり、一周すると1年寿命が延びるそう。萩日吉神社の杉の木は、樹齢800年の縁結び・子授けのご利益が。
志多備神社のスダジイ(神社でよく見かけるどんぐりがなるシイの木)は総荒神の宿るご神木で、樹齢は一説には500年とも。名古屋の城山八幡宮にある「連理木」は、木の途中から幹が2つに分かれ、再び合一することから縁結び、男女和合のシンボルとして信仰されています。
【キツネや蛇、ウサギたち】
商売繁盛のご利益があるといわれているのが、キツネでおなじみのお稲荷さん。稲荷神社に祀られているのは稲荷神(「いなりしん」と呼ぶ)という神様。
稲荷神=キツネと思っている人が多いのですが、実はキツネは神様のお使いなんです。宝くじを当てたい、コンサートチケットを手に入れたいなら「みな当たるのいなり」と呼ばれる皆中稲荷神社。
金運財運のシンボルの白蛇を祀った神社から、岩国白蛇神社と蛇窪神社を紹介しています。ウサギでは恋愛の神様として大人気の岩手県遠野の卯子酉様。
《取材・文/つきぐみ(水口陽子・渡辺晴美)》